第5話 仕事のあとで




次の瞬間、ガラッ――とドアが開いて部長達が部屋の中に入ってくる。




「あれ、まだ残ってたのか?」


「会議、無事終わりましたか?」


「お、お疲れ様です…」



相馬先輩は平然として見えるけど、私の頬は完全に火照っていてバレないか内心ヒヤヒヤしちゃう。



「おい、目がキョドり過ぎだぞ」


「ひぃッ!!」


先輩の耳打ちにも過剰に反応してしまう始末。



「相馬~、だから新入社員イジるなよ」


「苛めてません」


「今はパワハラだなんだ煩いから、気をつけろよ」


「違いますよ。コイツの仕事の指導ですから」


「ま、ほどほどに」


部長が先輩の肩をポンと叩いて通り過ぎていく。







私と相馬先輩の後ろでしっかりと繋がれた手。


恥ずかしくて顔が上げられなくて、ギュッと握り返せば、反対の手でオデコをはじかれた。





「そろそろ、帰るか」


「……は、はい」


「今日は、俺の家でいいか?」


いつもしかめっ面して怒鳴りちらしてるのに。

眉を下げて子犬のように先輩が覗き込んでくるから、小さく頷く事しか出来ない。




私達、付き合ってるみたいです――。





────ユメミルハチミツコ────

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ユメミルハチミツコ みかんの実 @mikatin73

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