第11話 epilogue
「何やってんの?」
「……」
「風邪ひくぞ?」
「……」
「おいっ」
「……」
「ほら、傘」
「……」
「お前、学校休んでんだよ?来れば?」
「……」
あの時、どうしてもほっとけなかった。
びしょ濡れの彼女に声をかけたのは、きっと必然で、俺が望んだ事。
その時から、俺の頭の中に雨が降り響いている。冷たく濡れた制服から体温が奪われるのに、彼女の思いはまだ下がる事を知らない。
でも、きっと形は変わるはず。
いつか雨が止んで、晴れた青空に虹が広がった時。彼女を本当に笑わせることが出来たら、この思いを伝える事が出来るだろうか。
────ニジイロピエロ────
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