ただのラブストーリー
そらまめ
第1話 通り雨の足音
ただ、普通に生きていたかった。
他と違うこの世界が、こんなにも私を苦しめる。
「私の心、読まないでって言ってるのに!」
「ごめん、私別にそんなつもりはなくて」
「幽霊とか、そういうのも見えてるんだよね。もう近づかないで、気持ち悪いから」
高校2年の夏、親友は私を気持ち悪がり、離れて行った。
「おかえり、愛理。早く部屋に行って。ご飯置いてるから」
「…ただいま」
両親は幼い頃に離婚し、父に引き取られた私は仕事で家を空ける父の代わりに、継母に育てられた。
最初は優しかった継母も、私のこの世界を知り、避けるようになった。
『おかえり、今日はどうだった?』
部屋に入ると話しかけてきた、同い年の見た目の少女。
「知ってるくせに」
『…あまり、気を病まないで』
「今は放って置いてよ」
名前を教えてくれない彼女は、自分のことをすみれと呼んでと言う。
小学校低学年の時に、急に目の前に現れたすみれは、俗にいうところの、幽霊だ。
ただのラブストーリー そらまめ @soraram
現在ギフトを贈ることはできません
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ただのラブストーリーの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます