『天空の密室〜建築家の復讐〜』 30年の目の設計図が暴く封印された真実

ソコニ

第1話 霧の山荘殺人事件

第1話:管理人の証言


私は中村だ。30年間この山荘を守ってきた。建築家の黒田が設計したこの建物には、彼の狂気とも言える建築美学が詰まっている。書斎の床下には精密な滑車機構が、天井裏には派手な装置が。だが、どちらが罠で、どちらが本物か。それを見抜けるのは、建築を知る者だけだ。


あの晩、実業家の佐藤誠が密室の書斎で死んだ。遺体発見時、ドアは内側から施錠。窓は全て完全施錠で、外からの侵入痕跡なし。胸には万年筆が刺さり、顔は恐怖で歪んでいた。


私には分かる。この山荘には黒田の仕掛けた秘密がある。だが、それを口にすれば私も消される。ただ、書斎の天井裏に隠された「あの装置」は、きっと事件の鍵を握っている。




第2話:息子の告白


父の書斎には二つの仕掛けがあった。天井の古時計の裏の派手な機構と、床下に隠された精密な滑車装置。探偵は天井の仕掛けに注目したが、建築を学んだ私には分かる。本当の殺人装置は床下にある。


佐藤健一です。父との確執は認めます。会社の後継者争いで、私は異母弟の誠二と対立していた。父は私より無能な誠二を贔屓していた。


父の死亡推定時刻の21時、私は確かに自室にいた。アリバイ証人は...いや、言えない。愛人の美咲と密会していたのだ。彼女は父の秘書で、婚約者がいる。このことは、誰にも...。


しかし父の死の真相は、もっと深い闇に繋がっている。父の金庫から見つかった古い設計図。それは30年前の山荘建設時のものだが、現在の構造とは明らかに違っていた。




第3話:秘書の視点


山岡美咲です。健一さんとの関係は、ただの気の迷いでした。私には婚約者の誠二がいます。


あの夜、私が最後に社長を見たのは20時。書斎でお茶を出した時、社長は「これが最後かもしれない」と呟きました。机の引き出しには拳銃が。必要になるかもしれないと。


でも、それ以上に気になったのは、社長が握りしめていた古い写真。黒田建築事務所のメンバーと、若かりし頃の社長。そして、私の実の母の姿が...。




第4話:探偵の推理


高橋です。この事件の核心は、30年前にある。黒田建築設計事務所の崩壊、主任建築家の失踪、そして保険金詐欺事件。


私の推理では、犯人は健一。父親を殺害し、巧妙な密室トリックを仕掛けた。書斎の天井裏には黒田設計の機械仕掛けがある。これを利用し、外から部屋を施錠できる。


動機は後継者争いか。だが、それだけではない。健一の母の自殺も、この事件に関係している。全ては30年前の山荘建設時に始まった悲劇なのだ。





第5話:異母弟の告発


誠二です。兄の健一を疑っていました。父の遺産を狙った犯行だと。


しかし、父の金庫から見つかった資料が全てを変えた。山荘の地下に隠された「もう一つの書斎」の存在。そこには、父と黒田が隠した重大な秘密が...。


美咲との婚約も、実は父の指示でした。彼女の母が、かつての事故で亡くなった建築作業員の妻だと知ったのは後です。父は、彼女を見張るように私に命じたのです。





エピローグ:真相


犯人は、探偵の推理も、誰もの予想も外れていた。


事件を解決したのは、警視庁の星野刑事。彼女は30年前の事故の遺族でもあった。


真相:犯人は管理人の中村。彼は失踪したはずの建築家・黒田だった。30年前、佐藤は黒田の設計をパクり、更に保険金詐欺を持ちかけた。作業員を死亡させ、黒田を失踪させたように見せかけた。


中村(黒田)は30年かけて復讐を準備。山荘の改築工事で秘密の機構を仕込んでいた。


密室トリックの真相:

- 書斎の天井に設置された古時計の機構と、床下の滑車装置を連動

- 本棚に仕込まれたスイッチで作動

- 万年筆が射出され、同時に内側から鍵がかかる

- 天井裏の装置は、実は偽装。本物は床下にあった


証拠:

- 中村の指紋と、黒田の設計図の筆跡が一致

- 地下書斎から見つかった30年前の証拠品

- 美咲の母の死亡事故の真相を記した日記

- 佐藤が握っていた古い写真の裏に書かれた暗号


追加の衝撃的真実:

- 美咲は黒田の娘。妻の死後、親族に預けられた

- 健一の母の自殺も、真相を知ったことが原因

- 誠二は黒田と佐藤夫人の子だった


この事件により、30年前の悲劇の連鎖が明らかになった。建築家の美学と狂気が生んだ復讐劇。巧妙な密室トリックには、皮肉にも黒田の天才的な設計センスが活かされていた。


真相を突き止めた星野刑事は、全てを公表することを選んだ。中村(黒田)は逮捕されたが、彼の設計は今も山荘に残り、その美しさと狂気を今も伝えている。







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