第8話
「美里の彼氏ってどんな人なの?」
…全ての始まりがこの言葉からだった。
ドキリと胸が高鳴る。気のせいか手に汗握り「え?」っと何食わぬ顔で聞き返せば「だーかーら」と攻めるように近付いてきた。
「美里彼氏いるんだよね?」
「う、うん。いるよ」
「いつも私の話ばっかで美里はノロケとかさー、してくんないじゃん」
友達の希美が不満そうにこぼした。あーあ、うん。そうだね。だって普通に考えて言えないでしょ?私の彼氏はヤクザだよ。なんて、さ。
アハハと話をそらしたくて苦笑いをしてみたものの、一向に希美は引こうとしてくれない。
それどころか腕を掴まれた。その小さな体からよくこんなに強い力が出るよなー。
「希美!痛いっ」
「白状しなさい」
鋭い目つき。希美が怖い。頭をフル回転させても逃げ道は浮かばない。
前から紹介してよと言われる度に今度ねと当たり前に答えてきた私にはもう他に答える方法が見つからなかった。もう限界だ。
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