第5話
壱翔はなるべく私を怖がらせないようにしてくれてる。
非道なことをしてしまう彼は私の前だとただの男で最愛の人。
私はヤクザの女。好きになってはいけないと思った時には遅かった。手遅れだった気持ちは通じ合ったことで一層強まった。
「……着いちまった」
あからさまに不機嫌になる壱翔の運転は安全運転第一で、本当は何倍も飛ばすくせに私が乗る時はいつも信号はきちんと守る。それが当たり前なんだけど、あの壱翔がこんな顔をするなんて私しか知らない。その優越感から笑顔が生まれる。
「ありがとう」
黒塗りの見るからにソノ道だといった高い車は目立つから嫌だと言ったらその日のうちに私を連れて選ばせたわざわざ私を送り迎えする為だけの車。黒色にしたのはやっぱり壱翔には黒がよく似合うから。
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