第3話

"普通"だけど"普通"じゃない。


起き上がった時に見えた背中に"そうだ。壱翔は普通ではないんだ"といつも気付かされる。


広い背中いっぱいに彫られている龍。


今にも動き出すんじゃないかってくらいソレは迫力がある。




「支度しなきゃ!!」



「ダメ。まだこうしてたい」



ぎゅーっとキツく抱き締められ壱翔は甘えるように首に顔を埋めた。




「甘えん坊」



「美里だけにね」



「みんなが知ったらどうなるんだろ」



「アイツらも俺の溺愛ぶりは知ってるし」




吐かれる息がくすぐったい。離してと手で胸元を押したらその手を掴まれてキスされた。




「朝から俺のやべえ」



「っ──馬鹿!!」




細そうで実は筋肉がすごい。脱いだらすごいんです。とは正にこのことだろう。…いろんな意味で。

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