トロッコ・レール

要想健琉夫

トロッコ・レール

 俺の名前は、世間じゃ今の今まで、道楽者だの反逆者だの、傍若無人の極みだの、囃し立てられた、言ったら身勝手な人間だ。

 そんな、俺は今、何故だか薄暗い洞窟の中を、に乗せられて通りに走らされている。

勿論、何処か何処だが知らねぇ様な場所をな、これは直感だが、俺は今の今まで人のに従わない様に、反逆する様に努めて来ていたから、どうやら俺はこれから、地獄にも等しい場所に行くみたいだ、只の予想だがな。

 だけど、俺もそんくらいに思えるには、思い当たる節が山ほど有るんだ、生まれて此の方、親だろうが先生だろうが、社会人だろうが、政府だろうが、俺はそんな奴らの命令に背く様に心掛けて生きてきた。

自分を見失いたく無かったんだ、レール通りの人生は御免だったんだ。

 そうして、人達に反逆している内に、俺は次第に孤立していって、仲間と呼べる様な奴らも、皆敵に成っちまったんだ。

何も、犯罪はした事は無かった、ただ俺は何時だって自分の意思を持っていた、自分の信念を曲げたくは無かったんだ。

何も、政府に楯突こう何て事も考えてやいなかった、俺は生涯明確な政治意識を持たない様にしていたからな、それの方が気楽だしな。

 しっかし、やっぱり、好き勝手やっている内に、俺はドンドン批判されていって、社会の格好の的に成っていたんだと思う。

仕事も見つけず、自分のやりたい事ばかりしている、俺の事を皆は道楽者、傍若無人だとそうして囃し始めた。

 だけど、俺自身その批判をじかに受け取っていって、大いに苦労した、だがな、社会の奴らが俺にしめすその傍若無人の限りを尽くしている内に、俺は自分が生きて行く楽しみをちょくに感じる事が出来たんだ。

身勝手と言われても、仕様が無いかもしれないが、俺は自分勝手やってる内に――良く言えば、自分らしくやっている内に、自分の生きる楽しみを見つけたんだ。

勿論、生きる楽しみうもんは、社会に生きていても見つける事は全然出来ると思うぜ。

 だけど、人から命令されて従って、約束された未来よりも、自分で切り開いていく未来の方が、もっと楽しい――そうは思わないか。

 だから、俺は結局のところ、自分の人生が今終わるとしても、此の今の今まで生きてきた人生に後悔は無いぜ。

俺は今日、地獄にも等しい場所に連れて行かれて、これから朽ち果てちまうのかも、知んねぇが、後悔はねぇし、仕様が無い事だと思ってるぜ、今までこんなにも自分勝手にやらせて貰ったんだ、ツケはそれ相応に回ってくるだろ、それが、今日なんだ。

 俺は後悔の無い人生を送ってきた、少なくとも自分ではそう言い切れる、だけどよ、俺みたいに身勝手に、人生を過ごす様には行かない様な奴もいっぱい居ると思う、だから、そんなお前らに伝えるぜ。



 人生は喜劇コメディでもあり悲劇だ、だけどよ自分それだけはくすなよ!



 俺の名前はパンク、道楽者でもあり反逆者でもあり傍若無人の限りを尽くした人間だ。

そんな、俺でも希望は伝えれるぜ!



 そうして、彼はトロッコに乗り、レールを辿っている内に、遥か底に真っ逆さまに落ちていきました。

 ―――いずれも、彼は笑顔でした。

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