第18話 ユニット名
甘楽がやってきた。
「食事の前に、まずはスマホとPCを配る。
PCは好きに使っていいが、持ち出しは禁止だ。
スマホについては、仮のメルアドと暗証番号が入っているから、自分で好きに変えろ。
それから、メッセンジャーのグループを作ってある。
俺と上新智香、それから君たち3人とグループだ。
このスマホは業務用だ。
君たちは基本2台持ちにしてくれ。
まあ学校ではあまり業務用スマホは出さないように。
全員、メッセンジャーIDを変えて、グループに投稿してみてくれ。」
3人がスマホをいじる。なじみは少し苦戦しているが何とかなった。
「よし、じゃあ食事だ。ステーキハウスの個室を予約してある。
タクシーで行くぞ。」
マンションに呼んだ大型タクシーに4人で乗り込み、レストランに入る。
中には上新智香が待っていた。
「さあ、今日はユニット結成のお祝いよ。好きなものを注文してね。
ただしアルコールはだめよ。わかってると思うけど。」
そう言いつつ智香は赤ワインをグラスで注文する。
なじみはオレンジジュース、爽香はアップルジュース、そして杏奈はぶどうジュースを注文する。
ちなみに甘楽はスパークリングウォータ-だ。
結局全員コースを注文し、肉と魚のチョイスは全員肉にした。
「肉食女子に乾杯!」「乾杯」「乾杯!」
そのあとは智香の訓示になった。
「あなたがたは選ばれた3人です。なりたくてもなれなかった人たちの分まで、頑張ってください。
そして、私生活ではマスクをすること。顔を隠すのと、喉をいたわるためです。
変装のために帽子も必須ね。場合によってはウィッグも使って。メガネとかサングラスもあっていいわね。
遊びに行けるのは最初だけだから、今のうちに遊んでおきなさい。」
「なぜなの~?」物憂げに杏奈が聞く。
「杏奈。言葉遣いはきっちりしなさい。私はあなたの上司です。仕事モードのときはきっちりしなさい。」
「はーい」杏奈は不服そうだ。
「杏奈。素行が悪ければ外すわよ。静岡に帰りたいの?」
智香が冷たく言うと、
「ごめんなさいごめなさいごめんんなさい。」
杏奈は頭をテーブルにぶつけながら謝罪した。
「今週はウェブサイトや宣伝材料のための写真撮影と、あとはデビューに向けた各種レッスンね。
あと、ユニット名は明日までなら自分たちで決めていいわ。
明日の朝までに決まらなければこちらで決めます。
ゴキブリ娘とかつけられたくなければ決めなさい。」
三人の顔色が変わる。多分智香は本気だ。
(これは、絶対に決めなければ!)三人は心に誓う。
甘楽が口を開く。
「明日は、朝から青山のスタジオで写真撮影だ。奈美はよく知っているだろう。あそこだ。
服やメイクはこちら側で用意するから、明日はまあ普段の格好で構わない。
午後から夕方、時間があれば事務所でダンス練習だ。」
智香が言う。
「これからだんだんメディア露出をして、11月1日にメジャーデビューよ。そのためにはレコーディングは10月半ば。あと2か月ね。 もちろんダンスもあるわ。
みんな、私をがっかりさせないでね。」
三人は強くうなずいた。すぐにデビューだ。緊張感が走る。
「あと、土曜日は休養日にします。その日は自由行動可能です。でも外泊は自宅を含めて禁止ですからそのつもりでね。
今は時間がありません。3人の絆を深めるのが第一です。
集団行動、同居生活もそのためよ。」
「あと、ご家族には悪いけど、あなたがたのデビューの情報は家族にも教えないでください。
特に奈美。お母さんがあなたの自慢をしないように釘を刺してください。
お母さんであることが知られると、マスコミがお母さんのところへ殺到します。あなたの変装も意味がなくなるわ。
応援する気持ちがあるなら特に、絶対周りに言わないこと。あなたの場合、名前からして野間奈美なんだからね。本名も秘密事項よ。公表したら、最悪、即時引退よ。そうしたら契約解除で今までの約束も無効になるから気をつけてね。」
「わかりました。」なじみ、いや奈美は神妙にうなだれる。
その後もいろいろな話が出た。
杏奈が質問する。
「恋愛してもいいんですか?」
「杏奈、あなた今まで彼氏いたことある?正直に答えて。別に怒らないから。」
「ないです。告白されたことはあるけど断ってます。」
「爽香は?」
「私も同じです。いたことはないです。」
「だったら今は問題ないわね。これからのこととしましょう。 事務所的には、恋愛はしてほしくない。でも禁止しても燃え上がるだけなのよね。
適度に息抜きで友達付き合いは問題ないわ。 恋愛も、否定はしない。
でも、ファンに公表して祝福されるくらいの人気が出てからにしたほうがいいわ。
彼氏が出来たって聞いて、カネ返せって逆上するファンもいるからね。そうならないようにファンを教育するのも必要ね。雑誌のインタビューとかで聞かれたら、その辺の答え方は考えておいてね。」
「お友達ならいいんですか?」なじみが聞く。
「そうね。お互い、付き合ってない、恋人じゃないって言い切れる友達ならいいわよ。」
なじみは甘楽をちらっと見る。甘楽は笑っている。
つまり、なじみと甘楽の関係は問題ないということだろう。
食事が終わり、マンションに戻る。
三人は、自分たちの部屋に戻った。智香と甘楽は隣の部屋だ。
「あの二人、どういう関係なのかしら?」
爽香がつぶやく。
「従弟って言ってたと思う。ナージャ、どうなの?」
「その辺ややこしいから、その前にやることやろうよ。」なじみが言う。
「何だっけ?ボク覚えてないや。」杏奈が軽く答える。
「何言ってるのよ!ユニット名よ。3人の未来を左右するのよ。真面目に考えましょう。」
爽香が言う。
それから真剣な話になった。
「ボク、カワイイ名前がいいな。プリティーとかキュートとか付けて。覚えやすいでしょ。」
「単にカワイイとか覚えやすいだけではまずいのよ。 同じ名前がある可能性もあるのよね。できれば二語がいいかもね。」
爽香が言う。
「何か、二律背反的なものとか、今と将来とか、そんな感じで並べてみようか。」
なじみが言う。
「ナージャって、意外にいいこと言うね。」感心したように爽香が言う。
「意外にって何よ。サーシャは私を何だと思ってるのよ?」
なじみがむくれる。
「いーからいーから。まずは今のボクたちがどんななのかあげてみようよ。」
杏奈が言う。
三人は頭を並べていろいろな単語を出していった。
今はカワイイ、元気、うるさい、わちゃわちゃ
未来は 大人、キレイ、静か
そして出てきたユニット名がこれだ。
Noisy Serenity ノイジ―・セレニティだ。
「本当は発音はシリーニティだけど、セレニティでいいよね。」
爽香が言う。
「たしかに二律背反ね。今すぐキャッチミー!」杏奈が言う。
「何それ?」なじみが問う。
「スルーしたほうが良さそうよ。」爽香が答える。
名前は Noisy Serenity
略称はノイセレ
「ユニット名が決まったことだし、今日は寝ようか。」なじみが言う。
「ナージャ。甘楽くんのこと、どうなのよ?」
爽香が聞く。
「明日どうせ一日一緒だから、そこで自分の目で判断したほうがいいよ。」
なじみが答える。
「うーん。そうかなあ」杏奈が言う。
「明日も早いから、お風呂入って寝よ!」なじみが重ねて言う。
「お風呂かあ。そうだね。時間かかるよね。この際、三人で入ろうよ!」
爽香が提案する。
15分後。
「一緒に入らなきゃよかった…」
杏奈が頭を抱える。
「おっきいやつが浮くなんて、ボク、知りたくなかったよ…」
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こんにちは、お急ぎですか。
〇〇〇〇が戦えと言ってる。
作者です。
第18話をお届けします。
ユニット名が決まりました。
え? セレニティ?
>どっかで聞いたような?
…とお思いのかたのために、
閑話をおまけにお送りします。
続きは…待つ間に★や??でもつけてくださいね(笑)
お楽しみいただければ幸いです。
ハート、★、感想いただければ幸いです。
特に★が増えると作者は喜びますので、まだの方はお気軽にお願いします。
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