禁呪法

 結果として、私の予想は当たらずも全くの的外れでは無かったようだ。


 この子供は、やはり私の記憶通り近くに存在した村の連中から捨てられて

 ここに迷い込んだらしい。結界が通常通りに機能していれば、おそらく私に発見されることもなかったであろう。


 やはり、私の肉体は遠からず滅びる運命にある。


 幸か不幸か、捨てられた原因を直接本人に聞いてみると、村では誰一人使えるはずの無い魔法を使ったことで、やれ本当は捨て子だ、いやこいつは魔女の生まれ変わりではないか、と散々に誹られて石を投げつけられ、実の親からも見放されて村を追い出されたとのこと。


 それを聞いた私は、やはり人間というものはいつまでたっても変わらないものだと冷笑した。結局何年経とうと何十年経とうと、自分たちとは違う存在を認め、受け入れることは出来ない存在なのだと。かつての自分が味わったのと同じ苦痛を、この目の前にいる子供は味わったのだ。


 だからと言って、同じ境遇に立たされたこの子供に、親愛の情を抱けるかと言われれば、それは無い。もうそんな、【人間らしい】感情を抱くには独りで過ごした年月が長すぎて、心が擦り切れすぎてしまった。


 だから私は、冷酷で残虐な【魔女】として、この子供を自らの野望の為の実験台として、利用させてもらうことにした。


 そう、今から私はこの子供と肉体を入れ替える禁忌の法を行うのだ。


 どうせ無駄に野垂れ死ぬ位なら、最後に私のために役に立った方が、よほどその肉体も喜ぶだろう。


 恨むなら、人間に生まれたこと、そのことを恨むが良い。


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