※読み合い企画からのレビューです
自宅のあるマンションのエレベーターから異世界へと放り出されてしまった主人公・小春
彼女は、謎の少年・アルトと共に、さまざまな世界を救う旅に出る──という導入から始まる本作品は、ジュニア小説を彷彿とさせる文体と雰囲気を持つ、非常に読みやすい小説だ
当然だが、この場合のジュニア小説とは、褒め言葉だ
子供向けと表現すると、どうしても稚拙な作品に思われてしまうかもしれないが、よくよく考えてみてほしい
大人向けの小説は大人にしか楽しめないが、子供向けの小説は子供から大人まで幅広く楽しめる
読者の間口が広い作品なのだ
エレベーターから始まる冒険というモチーフも、「異世界へ行く方法」という都市伝説や、絵本「おしいれのぼうけん」などを彷彿とさせ、否が応にも読者をワクワクさせる普遍性を持っている
是非一読し、このワクワク感を楽しんでみてほしい作品だ