カウンセリング雑感
森本ヴィオラ
カウンセリング雑感
まず、「カウンセリングってどうなんだろう?」と思われている方には、ぜひおすすめしたい。自分を見つめ直すのに、他者の力を借りることは非常に有効だと思う。しかし、そのためには良いカウンセラーを見つけることが大切だ。失敗もあるかもしれないが、めげずに探してほしい。
次に、世の「カウンセラー」を名乗る方々には、心得ていただきたいことがある。
それは、カウンセラーとクライアントの非対称性だ。もっというと、カウンセラーは権力を持っている、ということだ。
たとえば、クライアントからカウンセリングに対して疑問や不満を突きつけられたとき、カウンセラーの皆さまは、それをクライアントの病理として片付けて、反論したり、さらに説得したりしてはいないか。
私の一人目のカウンセラーは、「ザ!認知行動療法!!」みたいな人だった。とにかく私の認知の歪みを矯正しようとかかってきた。「それは依存でしょ」「それは共依存の考え方」「自立しなきゃ」など、さまざまな指摘をくれた。私は耐えきれなくなり、「じゃあどうすればいいんですか?」と訊いたが、はかばかしい答えは返ってこなかった。
何より自分が否定された気持ちになる。もともと自己否定感が強いのに、自分のダメなところばかり直視させられて、カウンセリングのあとはいつも泣いていた。しかも、原因の部分、なぜそうなってしまったか、という点はうやむやにされる。
たとえ「認知が歪み」を正すのが先決だとしても、そうなった理由の部分を成仏?させないと回復はないと思う。
このカウンセラーには非常に苦しめられた。私が勇気を振りしぼって「このカウンセリングが負担になっているんです。」と伝えたとき、彼は私のカウンセリングノートをパタン!と閉じながら「じゃあやめてもいいよ!」言った。
後から、じわじわとカウンセラーに対する怒りがわいてきた。でも、クレームを入れたら、また私側の問題と捉えられるんじゃないか、という恐れがあった。反論されて傷つくのも怖かった。カウンセリング室に手紙を送ろうかとも考えたが、見向きもされないのも悔しい。結局、グーグルの口コミ欄にデジタルタトゥーを残した。
どうかカウンセラーの皆さま方には、自らの権威性に自覚的になってもらいたい。そして、クライアントへの確認・説明を怠らないでほしい。クライアントが勇気を出して語った疑問や不満には、真摯に対応してもらいたいと切に願う。
短編のノンフィクション「母から自由になるために!〜アダルトチルドレン奮闘記」を書きながら思ったことでした。こちらもよろしければお立ち寄りください!↓
カウンセリング雑感 森本ヴィオラ @morimoto_viola
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます