第20話 幕張避難所
(おお、久しぶりに文明を感じる!)
どうやらここは元幕張メッセだったようで、中央のドーム型の建物の周りに大きな四角い建物がいくつもある。建物はところどころ壊されており、ここにも
注意してみると普通の人に交じって、武器や鎧を装備している人達がいた。この人達がこの
以前、僕を殺そうとした人も
〈まずはそれぞれ分かれて情報を集めようか〉
〈わかりましたにゃ〉
〈オイラに任せるわん!〉
ここなら強い
僕はまず、中央のドーム型の建物へと向かい、軒下の隙間から中へと入った。
(なるほど、ここは住民達の共用スペースとなってるのか。生活物資などを売ってるところを見ると、まだ物資不足にはなっていないようだ。それだけ助かった人が少ないのかもしれないけど……)
探知にかかった人の数が思ったより少なくて、自分で分析した結果にちょっと落ち込んでしまった。だからこそ、これ以上人間の数を減らさないためにも、やるべきことをやらないとね。僕はドームの中心辺りの梁の上に止まり探知を広げた。
(やっぱりいたか)
探知にかかったのはネズミ型の
ちょっと気になった僕は、ネズミ型の
(これはまずいぞ!? すぐに知らせないと!)
僕も慌てて旋回し、街へと戻る。
〈まる、ルナ、緊急事態だ! 街に
〈本当ですかにゃん!? 今すぐそっちに向かいますにゃ!〉
〈それはまずいわん!? こら、もうなでなでタイムは終わりだわん! オイラもそっちに向かうわん!〉
まるとルナが街中を疾走し、すぐにこちらに向かって来た。その動きに街の人々も異常を感じたのか、
どうやって人間達にこの危機を知らせるか考えていたけど、二人の行動が思いのほかいい方向へ転がってくれた。
〈お待たせしましたにゃ〉
〈オイラが来たから大丈夫!
街の外に飛び出した二人と無事に合流できたけど、
〈今から来るのはゴブリンの集団だ。数はおよそ三百。とてもじゃないけど、僕達だけで防ぎきることはできないと思う。だから、ここで戦いながら時間を稼いで、人間の
〈わかりましたにゃ。できるだけ耐えて見せるにゃ〉
〈ぎゃー!? すごい数の
二人がゴブリンの集団を目にする。ルナは覚悟を決めた目でにらみつけているが、まるは先ほどまでの勢いはどこへやら、怯えて尻尾が垂れ下がってしまった。
〈今回の相手は今までと違って知性もあるし、武器も使う。無理せず、生き残ることを最優先にしてほしい〉
〈わかりましたにゃ〉
〈怖いわん。でもオイラは
さて、二人とも覚悟は決まったようだ。今回は長丁場になりそうだ。空を飛べる僕は、その優位を活かしながらまずは陽動に務めよう。それから、まるとルナが死なないように、結界とヒールはいつでもかけられるように準備しておかないとね。
おっ、まるとルナを追いかけて出てきた
それほどたくさんの
まずは出鼻をくじく先制攻撃といきますか。
〈まる、ルナ、最初は一番でかい魔法を使おう。それで足が止まったところを各個撃破でいくんだ。僕が空から陽動するから、街に向かおうとするのを優先して排除してほしい〉
〈わかったわん! おいらに任せるんだわん! 絶対街には入らせないわん!〉
〈わかりましたにゃ。もしかしたら、あの街にわたしの家族がいるかもしれないにゃ。あいつらには一歩も踏み入れさせないにゃ!〉
やる気が十分なのはいいけれど、これは長期戦になりそうだからね。ちゃんとペース配分を考えるように言っておかないと。
〈あくまで作戦は命大事にだよ〉
〈もちろんわかってるわん! 危なくなったら一目散に逃げるわん!〉
〈ごめんなさいだにゃん。ちょっと気合いが入りすぎていたにゃ。ちゃんと死なないようにがんばるにゃ〉
よしよし、ちゃんとわかってくれたようだ。それじゃあ、最初はド派手にいくとしよう。
〈ファイアーアロー!〉
〈ストーンバレットだわん!〉
〈ダークアローだにゃん!〉
僕のファイアーアローとまるのストーンバレット、それにルナのダークアローが雨のように先頭のゴブリン達に降り注いだ。
「グギャギャギャギャァァァ」
僕達の魔法攻撃で数体のゴブリン達が地面に倒れた。それを見た後続の足が止まる。やはり、ある程度の知性があるようだ。であれば、陽動にも引っかかってくれるだろう。
僕はまるとルナに地上を任せ、ふわりと空へ舞い上がった。
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