第40話 拒否の原、主肉料理

 アダンは料理に天賦の才能が有る。

 熱湯噴射に火の噴射、それに無限収納になったスペースも、全て料理の補助的能力でした。


「クダン兄さんが作った調味料? 『豆塩』豆と麦を煮て塩を混ぜて漬け込んだとか? 用途不明の調味料使って見るか?」


 豆塩単体では塩辛い、拒否の原の主肉の一口角切りにネギ玉ニンニラ、甘イモそれにゴンボの煮物に、豆塩と水飴を入れて煮込んだ。

「これ、物凄く美味しい!!」

 味見した主肉ぬしにくは、もっちりに芯はコリっとした歯触り、豆塩の塩味と水飴の甘さ、各種やさいの味が絡んで物凄く美味しい!!


「クダン兄さんは、有り余る豆と麦を何とか仕様と煮込み、保存の為に塩を多く入れた料理とも言えない本来は失敗品、多目の塩が幸いし偶然だけど凄い調味料を開発してくれた!! 豆塩煮込みと言う応用性の高い料理が新しく出来た!!」


 ※アダン君の天賦の才能が働き、磯巾着いそぎんちゃく料理の定番『磯巾着の味噌煮』が出来上がった。


 大成功の料理、同じ物を3つの大鍋で作った。


「アダン君、密偵の三人山裾に辿り着けて無かった」

「まさかあんな近くで野営してると気付かず、随分探したよ」


 僕達基準でかんがえてはダメかも知れないが、密偵三人の身体能力低過ぎる!


「アダン~物凄く旨そうな匂いしてる! 化け物料理出来たの?」

「化け物じゃ無いよ『拒否の原の主肉料理』だよ! 化け物料理じゃ美味しそうに聞こえ無いでしょ?」


「旨けりゃ何でも良い!」

 トーラは相変わらずだな。

「アダン様! 究極のタラシ料理の予感!! 早く食べましょ!! (密偵三人には食べさせたく無い! アダン様のタラシ料理食べたらどんなに成るか!)」


「ジュウザさん、拒否の原の退治した化け物を見て下さい」

 スペースから触手の着いた剥ぎ取った皮と、本体を取り出して見せた。


「な、なんとデカイ!!」

「この触手が延びて、侵入者を絡めて湖に引き込み食べて居たようです」

「こんな化け物、よくも退治出来たものだ!! Aランク冒険者とは凄まじい人達だ!!」


「この大鍋3つに、主肉の煮物が入っています、料理した僕が自慢する訳じゃ無いけど、物凄く美味しい料理が出来ました」


 トーラ達もう食ってる!

「キャァ!! 旨過ぎる! 何これ!!」

「アダン様! 究極のタラシ料理の極みです!!」


「見てくれは得体の知れない料理だが、これは旨い!!」

「初めて食べる味!! 他の物は食べたく無くなります!!」

「この世の物と思えない、極上の旨さ!!」


(あ~~ぁ!! アダン様のタラシ料理に、密偵達タラシ込まれたぁ!)

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