第29話 盗賊が居た

 それから2日僕達の異常な速度、普通の旅人なら10日の距離を踏破した。


「山脈の切れ間、一応街道だけど……」

「塞がってるね」

「崖崩れとは違う、誰かが意図的に塞いだ物だ!」


「プリン瓦礫撤去して」

「アダン様了解!」


「山賊か盗賊の可能性が有る! 通行可能状態で戦闘体制!!」

「「「了解!!」」」


 巨体のプリンは通路を埋めた瓦礫を、物凄い勢いで撤去してる。

 バサァっと飛び散る瓦礫、当たる様なへまする者はこのメンバーには居ないだろうが、近くにいない方が安全だ。


 ある程度撤去が進むと、プリンは瓦礫に体当たりを繰り返し、ついに瓦礫を吹き飛ばした。


❰グガァ!!❱

 プリンは一声咆哮し飛び出した。


「うわぁーーっ!! 何だこの化け物!!」

 誰か居る様だ。

 覗いて見ると、プリンが大暴れしてる、相手は?


「お前達は盗賊か?」

「違うぞ! この化け物の飼い主か? 止めてくれ!!」


「プリン止め! こっちに来い!」


 プリンを止めて、改めて男達を見た。

「どう見ても、お前達は盗賊にしか見えんが、違うと言うなら街道を封鎖した理由を言え!!」


「化け物が襲って来んならこっちのもの!! 野郎どもやってしまえ!!」


 僕は熱湯噴射して、盗賊達に浴びせた。

「「「「「ぎゃぁーーー!!」」」」」

「プリンを使役してる僕は、もっと強いと思わんかったか?」


 大火傷して転げ回って苦しむ盗賊に、皆が止めを刺して回ってる。


 戦意喪失し、呆然と立ちすくむ生き残り盗賊を縛って回った。

「僕達はAランクのアダンパーティー、お前達は捕虜とするが、旅の邪魔に成りそう、素直に質問に答えん者は、プリンにボリボリ丸かじりの処分にする!」


「アダン、こいつら結構金持ってたぞ!」

 トーラは何時もぶれない、盗賊の武器に巾着袋全て奪った様だ。

 僕に渡して来るので、スペース収納して置いた。


 脅しが効いて質問に素直な答えを聞いた結果、盗賊には違い無かったが領主の依頼で動いて居たそうだ。


 領主はハラグ男爵だそうだ。


「聞いてくれ! 街道を封鎖し盗賊を使い旅商人や旅人を襲わせていた、ハラグ男爵やらを討伐して後王都に向かう!」

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