第27話 日の出村の東
兄さん達に、僕達が王都を目指す報告に日の出村に向かった。
プリンは嫌がったが、ベクトラさんを背負わせ、僕達が走ると1日掛からず日の出村に到着した。
「おぅ! アダン様、ご兄弟の移住有り難う御座いました!! お陰様で村の大改革が進んで居ります」
大改革? 意味はクダン兄さんに合って理解出来た。
トラおばさんが作ってた水飴、ヒネ芋から白い粉を精製、煮込んだドロドロに麦芽を入れ、一晩放置した物を焦がさない様、弱火で根気よく煮込んで作る、甘い水飴を作った様で甘味で女性達を虜にして居た。
コダン兄は水飴と蒸しヒネ芋で酒を作ったそうだ。
これはゲンゾウじいさんが遣ってた事、コダン兄はたまに手伝いしていて酒造出来る様になって居た。
ケダン兄は木刀、ムダン兄は飛び竹、木刀や飛び竹(竹トンボ)と言うオモチャを村の子供達に作ってやり、ケダン兄は木刀で戦闘訓練、ムダン兄は飛び竹で遊んでやり子供達を夢中にさせた。
甘味に酒、嗜好品の開発それに娯楽は村人の生活を豊かなものに変えた。
頑固に守ってきた農業一すじの、面白味の無い暮らしを一変させた兄さん達、クダン兄さんは実質村長の村長代理、ケダン兄達は生活改善指導者の地位になって居た。
ソンチ村長は引退状態で、酪農で出来た肥料や牧畜の飼料作りの指導を細々と遣ってるが、老人を集め会議名目の飲み会が多くなった。
「「「アダン、俺の嫁だ」」」
クダン兄さんにケダン兄、コダン兄はそれぞれ嫁さんが出来た様だ。
元ガキ大将のムダン兄は、複数の村娘の取り合いで決まった相手がまだ居ない様だ。
披露宴は僕を待っていた様で、その夜賑やかに執り行われた。
僕も料理作り応援したが、チーズお焼き(ピザ風お好み焼き)がメインで、僕が教えた料理を見事に再現してた。
今から思えば、西日暮村は創意工夫の優秀な人材が揃って居た、鍛えられて育った兄さん達は優秀だった様だ。
翌日僕達は、心残り無く王都に向かった。
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