第25話 大歓迎で受け入れられた
救世主って大袈裟に伝わった僕の名アダン、その実の兄達が村に移住し農業指導する。
村長をはじめ、村娘達の大歓迎に迎えられ、兄さん達は照れていた。
大歓迎の宴が一段落し、マルメットの大群に全滅した畑を耕す実演をする事になり、兄さん達は手馴れた準備に取り掛かった。
クロとハナに革ベルトを装備、革ベルトを牛ンガに取り付け、耕運を始めた。
クダン兄もケダン兄も、遣り馴れた農作業だ、広大な面積の畑を2時間ほどで耕し終えた。
「これは! 画期的早さだ!!」
「牛がおとなしく指示に従っておる?」
「物凄い技術じゃ!!」
「農作業の革命じゃ!!」
農民達は保守的な者が多い、しかしこれほど進んだ技術を見せ付けられると、今までの手作業の耕運をバカらしく思えた様だ。
クダンとケダンはクロとハナの汗を拭いて、川で汚れを洗って遣ってる。
早速村娘達が、クダン兄達にまみれ付き、何かと話し掛け手伝いか邪魔か分からないアピールを始めた。
コダンにムダンは、牛ンガの泥を洗い落としてる。
汚れが取れた牛ンガを、荷車に積んで、興味津々の鍛冶屋達に見せに行った。
こちらでも、鍛冶屋の娘や工具屋の娘達に取り囲まれ、コダン兄は戸惑いムダン兄はだらし無く鼻の下を伸ばしてる。
ハジマ町を挟んで居るとは言え、この技術力の違いは元々恵まれた農地だった日の出村に対し、知恵と技術を出し合って開拓した、苛酷だった西日暮れ村の違いだろう。
文字通り、必要は発明の母で有った!
クダン兄とケダン兄に、一軒の農家が宛がわれ料理や掃除の為の村娘が、賄いのため通う事になった。
コダン兄とムダン兄は、工具屋と鍛冶屋に住み込み、牛ンガ製作の助けをする事に決まった。
どちらの家も娘が後を接ぐしか無い状態で、コダンとムダンの将来は、ほぼ決定した様だ。
兄さん達は、救世主の兄と言うだけで無く、全員Eランクの冒険者で有りマルメット討伐は無理でも、ゴブリンやコボルト程度の魔物は独自に討伐出来る実力が有る、日の出村が手離すはずが無い! 兄さん達は直ぐにでも村の有力者になる事だろう。
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