第24話 兄さん達のりのり!

「牛ンガが無い!」

 ハジマ町の道具屋を回って、兄さん達が僕に言った。

 牛ンガって言うのは、牛に引かせる耕運機具の事で僕達には有り振れた物だったが、どうやら西日暮れ村独特の物らしい。


 急に言っても鍛冶屋に工具屋に木工職人、革職人などの共同開発になり、満足な牛ンガができあがる数ヵ月を待つより、僕達が走って持って来る方が遥かに早い。


「アダン、物置に二つ新品がある、それを持って来てくれ」

「アダン、荷車に乗せ持って来てくれ、荷車も必要だ」

「アダン、面倒掛けるがハナも連れて来てくれ…クロも頼めるか?」


 兄さん達次々要求が増え、結局飼っていた牛二頭と、牛ンガ二つに荷車二台を持って来る様に言われた。


 行きはトーラに合わせて走ると、1日掛からず西日暮れ村に着いた。

 トーラがトラおばさんに説明して、牛ンガを乗せた荷車二台を連結しセインが引くのは良いが、僕がハナを誘導トーラがクロを誘導、牛歩に合わせるとハジマ町まで3日掛かってしまった。


 町が見えると、プリンが物凄い勢いで走って来た。

 牛がプリンを恐れて言う事を聞かなくなるので、留守番させて居たプリンが僕を見付けたようだ。


 ハナとクロは途端に動かなくなってしまった。


 牛の少し後ろを連結荷車をプリンに引かせ、トーラに指導して貰いセインがハナを誘導してハジマ町に到着した。


 少し休みたかったが、兄さん達のりのりでハナとクロを誘導して日の出村に向かって行った。



 コダン兄とムダン兄がそれぞれ荷車を引いている。


 僕達の手が空いたので、日の出村に訪問の用件を告げに走った。

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