第22話 マルメットの大群
「あぁ! やっとマルメット討伐に来てくれただか?」
「はい、アダンAランクパーティーです」
「Aランク? 言われて見れば皆さん金のタグ! 巨大魔物引き連れて……アダン様? ハジマ町壊滅の危機を救った救世主アダン様でしたか!! 儂は日の出村村長のソンチですだ! 有り難たや!! これで村は救われた!!」
何か大袈裟に伝わってる? 救世主アダンなんて初めて聞くぞ?
「早速で申し訳無いだが、マルメットが農作物食い散らかしてる場所に案内するだ!」
村長さん、本当に困って居たようで、日の出村の東農園に向かった。
村はそれほど大きく無い、ぐるり牧場と農園に取り囲まれて居るので、ハジマ町より広大な土地では有る。
逆にたったこれだけの村民で、牧場と農園を管理出来てるのが不思議な位小さな村だ。
寝る間を惜しんで働いて居るのだろう、村民は皆疲れた顔をしてる。
マルメット討伐より、元貧乏百姓の僕はこの状態を何とかして遣りたく成った。
村を通り過ぎながら、そんな事ばかり思ってた。
「おぅ? 何だこれ! 酷い!!」
5mの太ったマルメットが、農園一面に居た。
大喰らいのマルメットの大群、食い散らかされ農地は全滅状態だ。
「アダン、10頭も居る」
「早速討伐開始するぞ!!」
僕はバールの様な物で鱗をこじ開けた。
空かさず、トーラが突き刺す。
僕は移動して、次のマルメットの鱗をこじ開け、空かさずセインが突き刺す。
僕が鱗をこじ開け、トーラとセインが交互に刺して討伐、10頭のマルメットでも僕達に取っては単純作業の繰り返し、あっと言う間に討伐完了!!
僕は仕上げに、マルメットの死骸をスペースに収納して行った。
食い荒らされた農園には、マルメットが嫌いなようで、大きなトマとネギ玉が残って居いたので収納して置いた。
それに、僕が粒ピリと名前を着けた雑草が繁ってる、これも収納した。
村には豊富な牛乳にチーズも大量に有った。
「ソンチ村長、村の中央で僕が料理して村民にご馳走する! 村民に連絡して!」
美味しい物をお腹イッパイ食べて元気になって貰う、僕が料理を始めると村の女性達が手伝いに集まってくれた。
僕が料理の説明をすると、女性達が必要な食材を刻んで鍋で煮込む。
料理の出来る女性が手助けしてくれる、物凄く早く料理が出来上がった。
牛のニンニラ内臓煮、牛乳のチーズスープ、チーズお焼き(ピザ風お好み焼き)、牛肉のニンニラ炒め、初めての食べ物と思うが、村人達は大喜びで食べてくれた。
「救世主アダン様、数々の珍しい料理、特に『チーズお焼き』を日の出村の名物料理にさせて頂きます!!」
日の出村は元々風光明媚な地、少しの工夫で観光地として栄える事になった。
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