第17話 兄弟と言うだけで

「貴方達! アダン様の兄弟と言うだけで、入りたくても誰も入れないアダンクランに入るのでしょう! 私だってアダン様がギルド登録された当初からのお付き合いなのに、能力的にアダンクランに入る事出来ない、文句なんて言える立場じゃ無いのよ!!」


「ベクトラさん? 僕のクランに入りたいの? 優秀なギルド職員のベクトラさんがクラン入りしてくれたなら、運営面で物凄く助かるよ! 冒険者ギルド退職出来るの?」


「アダン様!! 凄く嬉しい!! 今すぐ辞めます!! クラン入り言質取りましたよ! 今更ダメって言わせないですよ!」


 何か行き掛かり状、ベクトラさんのクラン入りが決定した。


 その場でベクトラさん、辞表書き上げた。

 チラ見した文章は【アダン総帥自らクラン加入を打診されました。ギルド退職しアダンクランに入ります】って書いてる。


 ベクトラさん、ギルマス室に駆け込んで、直ぐに出てきた。

「退職しました! アダン様宜しくお願いします」

「ギルドマスターに、引き留められなかった?」

「退職届けギルマスに押し付け、即出て来ました何か言う暇など与えません!」


 これで、ずさんだったクラン運営が上手く行く、結果オーライだったよ。


 大勢引き連れてクランに帰った。

「えっ? クダン兄達? 何でハジマ町に居るの? それにベクトラさん? また問題起こったの?」

 トーラが、すっとんきょうな声を上げた。

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