第14話 西日暮村では

 アダンとトーラが生まれ育った『西日暮村にしひぐれむら』では。


「兄貴、アダンは無事冒険者やってるだろか?」

「ケダン、トーラが一緒だから心配無い、ただアダンは俺の事冷たい兄貴と思ってるだろうな、可愛い弟アダンはこんな辺鄙な所でくすぶるのは勿体無い様な才能を持ってた! 冒険者じゃ無くても屋台か飯屋をやれば大成功間違い無い! 冷たく追い出した様な結果に成ったがアダンの為にはこれ以外無いと思った……」


「アダンの飯が恋しいぞ!! 何で同じ兄弟なのに皆が作るもの全て飯マズなんだ?」

「そうだよな、コダン兄! アダンの使ってたトマやネギ玉使っても、何で不味い飯になるんだ?」


「ハジマ町に皆で行って、アダンと一緒に冒険者やるか?」

「ムダンなら冒険者やれるかも知れんが、俺やケダン兄にクダン兄は百姓以外なんも出来んぞ?」


「いや、俺だって魔物を討伐する度胸なんてねぇぞ」

「ムダン、ハジマ町はそんなに遠くじゃない、一度様子を見に行って貰えんか? 元気に遣ってるなら良いが何か困って居たら……何を置いても助けに行くぞ!!」


「やっぱ皆で合いに行かねぇか? 俺はアダンに嫌われてるぞ」


「……いや、兄弟だから嫌っては居ないと思うぞ?」

「クダン兄、自信のねぇ疑問符着いてるぞ!『兄弟は他人の始まり』って言うし……」


「可愛い弟が気になるぞ! 全員で合いに行く!! 長男としての命令だ!!」


 と言う事で、畑や家の面倒を隣のトラおばさんの家族に任せ、4人兄弟全員でハジマ町に向かう事になった。


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