第15話 押し掛けるクラン入り希望者
Bランク3人にCランク3人、ハジマ町最強のアダンクランに参加希望者が後を絶たなくなった。
「あの槍をグルグル回してる人、何がしたいの?」
「アダンが槍使いと知って、アピールしてるつもりでしょ」
「それより、門から出れんのでイライラしてくるぞ!」
「僕は普通に買い物に行ってる、邪魔はされないよ」
「それが不思議なんだ、アダンクランのリーダーと認識されず使用人か駒使いって思われてる?」
「トーラ、酷いよ! これから肉を買いに行くのに、意識するじゃないか!」
「あれ? 今日は人数少ないな」槍回しとムキムキ筋肉男が2人、それにオバサンが一人、このオバサン家政婦希望?
僕は門を開け外に出た。
「あいや! 使用人君暫し待たれよ!! アダン総帥と贅沢は言わん、トーラ殿かセイン殿に取り次ぎ願えんだろうか」
槍回しのお兄さん、やっぱ僕を使用人と思ってた! 酷いよ!
振り向くと門の中でトーラにセイン、ハルスにサンド、ハスクまでゲラゲラ大笑いしてた。
「おう!! トーラ殿にセイン殿、ハルスリーダー殿にハルスパーティー、サンド殿にハスク殿! 良い所に全員お揃いとは有り難い! 拙者……」
「槍使い! それ以上口を開くな!! 貴様が使用人扱いしたお方こそ、アダンクラン総帥、アダン様だ!! 私セインの恩人アダン様を見下したお前! 何処かに消えろ!!」
優しいセインがこんなに怒ってるの初めて見るよ。
(槍使いやり居った! 使用人や駒使いに言ってもしょうが無いと見逃して正解! まさかこんな貧相なチビがアダン総帥とは冗談? ……)「ギャッ!! あれが使役したクイーンゴブリンか! でかい!」
「アダン様! ウチガ護衛スル」
「プリン、荷物持ち助かる!」
「アダン様、オンブシテ走ル」
僕が総帥と知って、近付いて来た者達プリンを恐れ引いてるが、家政婦志望のおばさんが一人出て来た。
(厚かましいガサツそうなオバハン、こんなの雇わんぞ!)
「アダン総帥! 私は魔法使い!! クラン入れると戦力強化するよ!」
魔法使い? 家政婦志望じゃ無いの? 人は見掛けで判断しちゃダメだね……僕が言える立場じゃ無いけど。
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