第11話 魔物異常発生

 オーク肉狩りに、たまに引っ張り出されるが、基本広い畑の作物栽培に勤しむ日々だ。


 そんな平穏な日々に突然不穏な報告が入った。

「アダンさん、ギルドに至急来て下さい!」

「ベクトラさん? 近くとは言え呼びに来るって何事ですか?」

「詳しくはギルドマスターから話が有ると思いますが、スタンピードが発生した様です」

「スタンピードって?」

「樹海の魔物が異常発生した様です! 大急ぎギルドに集まって下さい!」


 言い残し、ベクトラさんは駆け足で帰って行った。

 トーラとセインは元気一杯木剣で戦闘訓練してた。

 ハルス達はエールを飲んで寛いでいる。


 全員を召集し、クラン会議を始めた。

「樹海の魔物が異常発生したと報告を受けた! 至急ギルドに集まるようにとの事だ!」


 トーラとセインはそのまま行ける、ハルス達が準備するのを待ち、全員でギルドに向かった。


「ハジマ町って、こんなに冒険者居たの?」

 冒険者ギルドは、冒険者で溢れて居た。


「おぅ! アダン来たか、ゴブリンの上位種が現れた様で、数千のゴブリンが樹海からハジマ町に向かって来て居る」

「ゴブリン程度で、こんな大急ぎするの?」

「一匹では弱くても、数十数百のゴブリンが統率されて向かって来れば強敵だ」





 ゴブリンって侮ってご免なさい、弱いくせに傲慢になってました。

 僕達アダンクラン6人が、尖兵斬り込みをかって出て、狩っても狩っても押し寄せるゴブリンに押し潰されそう、ピンチです。

『助けて! セイン、トーラ! 神様ぁ!!』生まれて初めて心から祈った。



 無意識に庇う様に突き出した両腕から水が噴出、只の水で無く熱湯がゴブリンに降り掛かった。


「ギャ!!」「ギャッ!!」「ギャゥ!!」

 汚い布を腰に巻いたゴブリン達、熱湯が染みて、茹でタマタマソーセージ状態で転げ回ってる。


 形成は一気に逆転、転げ回るゴブリン達に、止めを刺す作業に変わった。

 神様が助けてくれた? 自堕落でも料理に毎日使用した生活魔法、水と火も進化してた様だ。

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