第10話 僕は二人の嫁?

 僕達はたまに冒険者ギルドに顔を出し、ゴンザ達の様な不良冒険者に睨みを利かせるだけの簡単なお仕事、冒険者活動しない引きこもり状態だ。


 ハルスパーティー3人は、働かなくても良いお金持ちなのに、Cランクに成りたいって冒険者活動頑張ってる。


 僕は町を散歩、食べられる雑草探しが楽しい毎日だが、トーラがイライラしてる。

「アダン! イライラして暴れたい気分だ!」

「私も流石に飽きたわ」

 木剣で模擬戦してるトーラだけで無く、セインまで言って来た。


「冒険者ギルドに行くと、アダンクランに入りたいって有象無象が鬱陶うっとうしいけど、何か依頼を受ける?」

「オークを狩って、お肉食い放題したい!」


 僕は変わらないけど、トーラにセインは身長も体格も発育し大人になった。

 食べる量も凄いが、もっとガッツリ食いごたえの有る飯を希望して来る。


「オークを2頭狩って、ギルドで解体して貰う……で良い?」

「「オーク狩りにしゅっぱぁつ!!」」


 仲が良いのは結構なんだけど、可愛いセインが最近トーラ化してる様で心配だ。

 嬉しそうな二人に引っ張られ僕は樹海に入った。




「んもう! 2頭って言ったのに、5頭も狩ってどうやって持って帰る? 荷車用意して無いよ」

「アダン、スペース収納すれば良い」

「2mの巨体5頭も入る訳……あれれ? 入った?」

「自堕落アダンが唯一スペース毎日使ってる、当然スペース拡張したのよ!」


 自堕落って随分な言われようだ! 毎日大量に6人の食事作りしてるだろ? それ以外何もしない……自堕落だった。


 二人に挟まれギルドに向かう、発育した胸が両側から押し付けられる、僕の目線はトーラの肩にセインの首、随分身長差が出来てしまった。


「アダン? どうした?」

「トーラとセインが大人に成長して、僕はチビのまま、チョッと落ち込んでる」


「何言ってるの、アダンは私とセインの嫁! そのままで充分可愛いぞ!」


 僕って二人の嫁? それで良いのだろうか?

 男らしさと無縁な僕だけど、流石に(僕は男だ!)って叫びたい。

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