第9話 マルメット討伐

「ギルド酒場はいや!」

 トーラが我が儘を言う。

 僕も、安くてもお金を出して不味い食い物は嫌だ、家事や料理僕は全く苦に成らない。

 と言う事で酒や食材を買い込み、拠点に帰った。

 ハルスにサンド、ハスクの3人も着いて来た。


 干し肉とネギ玉を入れた麦粥に、芋とウサギ肉のトマ煮、オーク肉の塩ニンニラ焼きが出来上がり、皆で食べた。


「何だ? この料理!! 食った事の無い旨さ!! アダンは物凄い特技を持ってるな!!」

 僕の料理を初めて食べるハルス達は驚いて居た。

「アダンは私の嫁だ! 誉めても譲らんぞ!」

 トーラは相変わらず、意味不な発言だ。


「いや、アダンが超優秀なパーティーメンバー集められた秘密が、少し分かった気がした」

 ハルスも意味不な返答してる。


 飲み食い鱈腹たらふくして、酔い潰れたハルス達を泊める事になり、翌日宿を引き払いハルス達3人が居候する事になった。

 空き部屋は多い、人が増えるのは問題無いが何でこうなった?

「アダンの飯が旨過ぎる、こうなるのは当然だ」

 トーラ? 僕が悪いの?



 金貨は使い切れないほど稼いだが、ギルドマスター直依頼のマルメット討伐は遣らないとダメだろう。


 クラン会議の結果、ハルスが言う最近発売された謎武器『バールの様な物』ってので、丸まったマルメットの鱗をこじ開け隙間から剣を差し込み心臓を貫き討伐する、で決定した。


 全長3mのマルメット、丸まって直径2mになるとか、僕のスペースには入らない、荷車引いてハルス達も着いて来る事になった。


 樹海に不案内な僕達、ハジマ町ベテラン冒険者のハルス達のクラン入りは、案内と荷運び魔物の特徴説明など物凄く役に立ってくれてる。

 僕は『バールの様な物』を担いで着いて行くだけ。


「居た!」

 ごっつい鱗の有る大ネズミ? マルメットが2頭危険を感じ丸まった。


 襲って来ない臆病なマルメットを討伐する意味がるの?

「殺すの可哀想だな」

「農作物を大量に食い荒らす害獣だぞ! この大きな鱗が心臓を守って居る」

 僕はマルメットの上に乗り、短く折れ曲がったバールの様な物を打ち込み、長い鉄棒を引いて鱗をこじ開けた。


 トーラが長剣を突き差し、マルメットを絶命させた。

 もう1頭も同じ作業で討伐終了。

 荷車に2頭乗せて、ハルス達3人が引いてギルドに帰って来た。



 金貨100枚の買い取り金、50枚をハルスパーティーに渡した。


 ギルドマスターの思惑、ハジマ冒険者ギルドを拠点にする優秀な上級冒険者、ギルドの顔になるパーティー必要だった?


 よく分からないが、僕達3人Bランクに昇級、金のタグに変わった。

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