大学生の隣人

はこみや

引っ越し

騒がしい音を立てながら俺はベッドの上で横になる。

「ふぅ……」

「今日は疲れたから、もう寝ようか」

「何言ってるのよ、天狼。今夜は寝かさないよ!?」

「いや、寝かせてくれ。明日も学校あるし」

「大丈夫! 天狼には私がいる!」

「お前がいると余計に疲れそうなんだよなぁ……」

なんでこうなったんだろう

....時はさかのぼり、三カ月前。

俺のアパートの隣の部屋に誰かが引っ越してきた。

「隣に引っ越してきました、箱宮みよりです。よろしくお願いします」

礼儀正しく挨拶をする女……というか少年と言った方が適切だろう。見た目は中学生くらいに見えるが、どうやら彼女は大学生のようだ。

「こちらこそよろしくお願いします」

軽く頭を下げて返事をすると、彼は笑顔を見せた。

「あっ、私のことは気軽にみよりんって呼んでくださいね。これからお世話になります」

「はい、分かりました。俺の方からも....俺は尼崎天狼といいます。これからよろしくお願いします」

「天狼さんですね? これからもよろしくお願いします。」

みよりと名乗った少女っぽい女性はとても人当たりの良い好印象だった。それから俺はみよりと色々話したのだが、彼女曰く一人暮らしは初めてらしい。どうやら彼女も俺と同じ大学に進学するらしく、大学でも会う機会があるかもしれないと思った。しばらく他愛のない雑談を彼女と話して、気づけば日が落ちていた。そろそろ夕食の準備をしないといけない時間だったので、彼女に別れを告げることにした。

「じゃあ何か困ったことがあったら何でも聞いてくれ。こういうのってほら、お互い様なんだし」

「はい、ありがとうございます」

そんな感じでみよりとの初めての出会いを終えた。

...それから数日経ったある日のこと。その日は大学の授業がなく、家で寝ていた朝方のことだった。

ピンポーン♪ チャイムの音が鳴る。玄関を開けるとみよりんがいた。手にはスーパーの袋を持っている。

「こんにちわー! 差し入れです。せっかく作ったので、ぜひ良かったら食べてください!」

そう言うと、みよりは手に持っていたビニール袋を渡してくる。中には手作りのお菓子が入っていた。

「ああ、わざわざ悪いな。今度なんか礼するよ」

「いえいえ気にしないで下さい。私が勝手にやってることなので。それに作りすぎちゃって」

「そっか……。そうだ。せっかくなんだし一緒にお菓子食べないか?お茶入れるからさ」

「えっいいんですか?」

「もちろんだ。一人で食べるよりも二人で食べたほうが美味いだろ?」

「はい! 是非ご一緒させてもらいたいです!!」

こうして俺はみよりを部屋へと招待をした。さすがに大学同じで、部屋は隣同士とは言ってもみよりと話したのは引っ越しの挨拶ぐらいで、お互い少し緊張していた。だが彼女の明るい性格のおかげですぐに打ち解けることができたしなんなら気が付いたらその日のうちに仲良くなった。その夜、みよりが作ったクッキーを食べながら大学のことや自分のことをお互いに語り合った。そして気が付いたら夜になっていた。時計を見るともう夜の8時を過ぎている。夕飯の時間だ。

「おっと、もうこんな時間か。みよりんはご飯とかどうすんの?よかったらうちで食うか?」

「いいんですか!? ありがとうございます。」

「まぁ簡単なものしか作れないけど、それでも良ければ」

「全然大丈夫ですよ。むしろ嬉しいです。いつもご飯食べるときは一人だから寂しかったんですよね……」

「へぇ、まぁそうだよなぁ。一人暮らしってやっぱり寂しいよなぁ」

「そうなんですよね……あっごめん。私部屋かえってシャワー浴びてもいい?」

「ああ、そうだな。どうせ隣同士なんだし浴びてきなよ」

みよりがシャワー浴びている間に俺は晩御飯を作ろうと思い台所へと向かった。冷蔵庫の中を確認すると野菜炒めの材料があった。今日はこれを作ろう。

まずはキャベツを切って、次に豚肉を一口サイズに切る。フライパンを温めてから油を引いて、切った材料を入れる。そして塩コショウを振りかけて味付けをする。後は火が通れば完成だ。

「ふぅ……これでよしっと」

料理がひと段落ついたところでちょうどみよりが戻ってきた。

「ただいまー。おぉ良い匂い。」

「おかえり。もうすぐできるからちょっと待っててくれ」

それからしばらくして出来上がった野菜炒めをテーブルに並べて一緒に食事をとった。

「「いただきます」」

俺達は同時に声を出して、箸を持った。みよりが先に一口口に運ぶ。すると彼女は目を輝かせた。

「う~んおいしい!! これすごくおいしくできてるね!」

みよりは満面の笑みを浮かべた。どうやらお世辞抜きで本当にうまいと思ってくれたらしい。

「そうか? それは良かった。」

「うん、ほんとうにすごいよ。この味はなかなか出せないと思うな」

「そういえば、みより、喉乾いたでしょうお茶用意するから待ってて。」

「あー、そんなことしなくて大丈夫よ。持ってきたから。」

みよりはバッグの中から飲み物を取り出した。

「お、準備が良いね」

「そりゃ天狼には夕飯ご馳走になってるんだしなんかお礼したいじゃん。」

「確かにそうだな。……って、お酒!?えっ、だってまだ未成年だし飲めないし買えないでしょ?」

「あ、これは私のじゃないわ。知り合いにもらったの。引っ越し記念にって。でもなんか一人で飲むには勿体ないしどうせなら大学でできたお友達と一緒に飲もうかなぁって思っていたからせっかくだしよかったら一緒に飲もうよ。ほっておいて腐って捨てるのは勿体ないし、それにほら、どうせいつかは飲むことになるんだし今のうちに経験しておくのも悪くないんじゃないの」

「いや、でも俺達はまだ学生でしかも男と女だよ。そんなのダメでしょ。それに俺もお前も酔っぱらったら何するか分からないし」

「いいのいいの。それに私もあなたもそんな簡単には酔いつぶれたりしないと思うから。それにもし何かあっても私は別に構わないし。」

「いやいや、そういう問題じゃ……」

「じゃあいいの? このままだと捨てられちゃうんだけど?」

「いや、それはもちろん嫌だけどさぁ」

「じゃあ決まり! はい、コップ持って」

結局みよりに押し切られて飲むことになってしまった。それからしばらく二人で話しながら酒を飲んでいると、だんだん眠くなってきた。

「ねぇ、天狼、今夜は私の部屋で眠っていいかしら?」

「え、ああ……」

お酒のせいで頭がぼーとしてきてみよりの言葉が入ってこない。みよりからの言葉はよくわからないまま返事をした。

「やった!ありがとう。」

「ああ……」

「じゃあ早速行きましょう。」

みよりはそう言うと俺のベッドの上に気持ちよく寝転がった。俺は酔っ払っている状態でまともな判断も出来ないような状態だったけどさすがに男女2人が、ベッドの上で寝るのはマズいと思っていたので、床で寝ようとした。するとみよりは弱々しい言葉で

「お願い……一緒に寝て……」

と言った。その言葉を聞いた瞬間、お酒のせいか分からないけど頭の中で理性が崩れて、気が付いた時にはみよりを押し倒していた。

「きゃっ!?天狼!?」

みよりが小さな悲鳴を上げていたけれどそんなことは気にせずそのまま唇を奪った。舌を絡ませて何度もキスを繰り返すうちにお互い息が荒くなった。俺は部屋を暗くし、みよりの合図を確認した後、服を脱がせてみよりの小さな胸に触れた。最初は小さくて柔らかいだけだったけど徐々に固くなっていった。

「みよりん可愛いよ」

俺はそう言って彼女の胸にしゃぶりついた。

「ひゃあん、そんなところ舐めちゃだめぇ……」

「どうして?こんなにかわいいのに」

「恥ずかしくて死んじゃうぅぅぅ」

「大丈夫。死ぬときは俺も一緒だから」

「うん。ありがとう」

「ねぇみより、そろそろいいか?」

「……私……初めてだから優しくしてね」

「もちろん」

俺はみよりの中に自分のモノを入れて腰を動かした。初めは痛がっていた彼女だったが次第に慣れてきたのかみよりも乗ってきてくれて、そして気がついた時には2人とも寝ていた。

朝起きてみると昨日の出来事が全て夢だったのではないかと一瞬思った。だがすぐに現実に引き戻された。隣には裸のみよりがいたからだ。どうやら俺たちはみよりと抱き合って眠りについていたようだった。「おはよう」

「おう、おはよう」

「昨日の夜のこと覚えてる?」

「まぁ、一応な……でもあんまり覚えてないなぁ」

「そっか、あのさ、一つだけ聞いてもいいかな?」

「なんだ?」

「天狼って私のこと好きなの?」

「それはどういう意味だ」

「つまり異性として好きかどうかってこと」

「まぁ、そうだな。みよりんは可愛かったし、一緒にいて楽しかったからな。」

「そっか、なら良かった。ということは私たち、付き合ってるってことで大丈夫?それともただのお友達?」

「あー、とりあえずは恋人ってことにしようか。」

「やった!これからよろしくね!」

こうして俺とみよりは付き合い始めた。正直みよりを女性として意識し始めたのはこの日からだと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大学生の隣人 はこみや @hako0713

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る