笠原ひばり×高木満
斜め前に座るフクを見ながら指を組み、甘いため息を漏らすひばり。
「やっぱり福本くん、かっこいい……」
「そぉかー?
どこが良いのかイマイチ分からない」
私の答えに今度は味気ないため息。
「みっちゃんってかわいそう。」
……かっちーん。
「だってフクって、別にイケメンじゃないし身長低いし、女々しいじゃん」
するとひばりは「これだからみっちゃんは」とわざとらしく言ってフクの魅力について熱く、語りはじめる。
「まず、あの笑顔!
キラキラしてて、優しくて、事実優しいし。
なのにたまに見せる男らしさとのギャップ!
ギター弾けるし、足速いし、勉強できるし……」
ひばりはめちゃめちゃアイドル好きです。
「福本くんの彼女、本当に羨ましい」
「あんただって彼氏いるじゃん」
私の言葉になぜか過敏に反応する。
「あんたの隣で口開けて寝てるのが、現実のあんたの彼氏」
私が言ったのとほぼ同時に司の首はガクンとうなだれた。
ビックリして起きる司。
「……なんでなのかなぁ」
そう言いつつもひばりは「落ちそうですよ」と、ブレザーを司にかけ直してあげている。
彼氏に敬語って、昭和かっ。
「ひばりは優しいな!」
超笑顔の司に「おやすみなさい」と、顔を赤くして前に向き直る、ひばり。
「司とフク、どっちがタイプなの?」
また爆睡をし直した司をチラッと見た。
「福本くん」
ためらうことなく答える。
が、その数秒後。
「でも、好きなのは山田くんなの」
小さい声で恥ずかしそうに答えるひばりはめちゃめちゃ、可愛かった。
**
理想と現実
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます