この物語は主人公の少年の興味本位が手繰り寄せるドラマチックファンタジーです。
ある満月の夏夜――
主人公の僕はこっそり家を抜け出して、ひとり鎮守の森の祠へと向かいます。
人魚の屍の見たさに駆られて。
祠の中で出会った正体不明の彼女。そこで交わす色めきと駆り立てられて行く冒険心。
それ自体ではホラーにもファンタジーにもなるボーダーレスな作風ですが、次第にそれは輝ける夜空へと収束していく展開がとても美しいです。
天翔る伝説の生き物を思わせる幻想的なシーンに息を呑みます。
空を味方につけた海を思わせる描写に溺れたくなる美しいファンタジーです。