思うがままの文章。
しかしこの文章がクレッシェンドのようなパワーで読む者の胸に迫ります。
読んでいて世の中の理不尽に共感させられる…
それでもこの主人公の幸せと安寧を願わずにはいられません。

崩壊へ転がる中年男の独白です。若者との断片的な交流やVIPとの邂逅を経て個の自殺と世界の初期化がシンクロする壮大なスケールへ至ります

印象的だったのは、ホテル裏で従業員の秘密を覗いたくだり。また、最後に名刺を渡されながらも、もう遅いと涙を流すくだり

人間の弱さと社会の欺瞞が交錯し、破滅と再生の間にわずかな希望を残す物語です

ちょっとだけ、そう、ちょっとだけ、文を整理すればもっと素敵になるかなとふと思った