第19話
「なかなか欲しいものを買えたな」
「そうだね、やっぱり推しの缶バッチがあるのはいいよね」
「私のグッツも結構思ったよりも高かったから、よかったね」
るなもも嬉しそうな笑みを浮かべているから、秋葉に来た甲斐があった。ずーみんも決意を固めたし、引っ越す前に一応色々できたのはよかったな。引っ越したらこんなに頻繁には秋葉にも来れないしな。俺もお金をそんなに持っている訳じゃないから、千葉から東京に出るのはなかなかきつい。それに千葉市なら市内だけで完結できるからな。わざわざ動く必要性がない。
「ずーみんはこの後どうするんだ?」
「私はまた記者に見つかったら面倒だから、先に帰るよ」
るなもがいるとはいえ、角度によっては俺と二人っきりに見える可能性もあるから、写真を撮られないことに越したことはない。それにるなもと後少ししかできない放課後デートを楽しみたいしな。るなものミニスカートは結構貴重だし。バイクを走らせたりするから、ジーンズが多いし。まぁるなものきれいな足の形を見れるからそれはそれでいいんだが。
「そうか、じゃあな」
「あ、その前に連絡先交換しよ。今日のお礼もしたいし」
「いいぞ」
俺達はラインの登録をした。そしてずーみんは売買と言って去っていた。るなもは元トップアイドルに会えたこと感動したようだ。オーラはあったからな。るんも姉さんもあるが。引退してもあるってことはアイドルになるべくして生まれてきた存在なんだろう。
「ずーみんさんのオーラは全く変わってなかったよ。これはまた芸能界戻ったら、活躍しそうだね」
「元々演技は上手いし、そうだろうな。また活躍することを願っているわ。それじゃ秋葉の散策の続きでもするか」
俺達は再び秋葉の町を歩き始める。秋葉とはアイドルとアニメの聖地である。そこらかしこにアニメのポスターやアイドルのグッツがおいてある店がある。ライブ会場も多く、地下アイドル好きにも聖地とかした場所だ。
「どこか他に行きたい場所はあるか?」
「うん、そうだねー。アニメイトに行ってみたいな。あそこ女子だけじゃ行きづらくて、行ったことないんだ」
まぁオタク率が高いから、秋葉を歩いているよりも美少女はナンパされる率は高いだろうからな。行ったことなくてもおかしくないが。
「男と出掛けたことぐらいはあるだろ。その時に行ったことはないのか?」
「私男の子とでかけたの小学生の頃だよ。だからデートとかはしたことないんだよ」
いつでもアイドルになれるように準備していたからだろうか?それとも単に好みの男がいなかったか。まぁどっちにしてもるなもの高校上がってから、初めてのデートってことか。それは嬉しいな。
「そうか、るなもならよくいろんな人に誘われてるだろうから、誰かしらとは出掛けたことあるのかと思っていたわ」
「みんな下心丸出しだからね。誘われるけど断ってきたんだよ。隆景先輩は仲がいいから、断ってないけどね」
振られても仲がよければ大丈夫ってことか。だがこれから俺は転校するから、放課後デートはできないだろう。だから今のデートを楽しもう。場所は秋葉でデートにしてはどうなんだって感じだが。どっちもアイドルオタクだから、まぁ楽しめるだろう。
「そうか、それなら仲のいい先輩めいりに尽きるな。これからもよろしくな」
まぁ俺は転校するから、そんな頻繁にデートはできないが。それでも千葉県だから出掛けたりできないことはないから、定期的に遊びに誘うか。
「うんよろしくね」
「おっアニメイトに着いたみたいだな」
大きいアニメのポスターがでかでかと貼ってある。やっぱりこれを見ると、アニメの聖地って感じがするな。アニメイトは最高の場所だ。
「ここがアニメイトかー。なかなかアニメの感じがでてるね」
「そうだな、それじゃ入るか」
俺達はアニメに入った。あらゆるところにポスターが貼ってあって、アニソンが流れている。やっぱりここはるなもとるんいるときも癒されるが、アニソンを聴くのも癒しのひとつだ。
るなもはキョロキョロしている。そんなにアニメのポスターが珍しいんだろうか?秋葉でもあんまりアニメの店に入らないから、見ないのか。
「なかなか興味深い場所だねー」
「それだけアニメが発展してる証拠だ。きっと中も気に入るだろうよ。それでなにか気になっているアニメはあるか?」
「うーん、レイヴンズの冬次くんかな。あのいかにも不良なのに仲間思いなところが好きなんだー。あとちょっといじるのが好きなところとか。すごい辛い境遇なのに、それでもそれを仲間のために使おうとしてるところとか」
「レイヴンズは確かに面白いよな。治人が覚醒したところは見物だったな。とりあえずレイヴンズのコーナに行くか」
俺達は三階に上がり、レイヴンズコーナに来た。今やっているアニメなだけあって、グッツもそれなりに多い。あとは俺の青春は間違ってるとかか。一華のグッツを買うか。俺はあのあざとさにやられたんだよな。そしてレイヴンズのコーナでるなもはどれにしようかなとグッツを物色している。
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