第18話
「次はどこ行きたい?」
「うーんアイドルショップに行きたいなぁー。秋葉行くと毎回行っているんだよね」
まぁ坂道系はあそこは有名だからな。かなりの櫻坂のグッツが置いてある。ファンなら、秋葉に来たら毎回行くだろう。るなももそれくらい櫻坂が好きってことだろう。いつかアイドルになったら、第一号のファンになろう。そしたいつかトップアイドルになることを願っている。
俺達はアイドルショップに歩を向けると、誰かが付けられているのに気づいた。見た感じただのストカーというより、週刊誌の記者に近い。有名人か何かか?まぁここで俺がしゃしゃりででもあることないこと書かれかねないな。どうするか?ほっておくのは後味が悪い。
あ、そう言えば、どっかで入手した陰業の術の基本みたいな本を見たな。試してみるか。俺はるなもの手を取り呪文を唱えた。
「我を隠せ急急如律令!」
すると周囲の視線を感じなくなった。上手くいったようだ。俺は素早く少女の手を取った。少女は動揺をしていたが、週刊誌の記者の視線が外れてるのを感じると、俺について来た。俺達はそのまんまアイドルショップに入った。
「大丈夫か?」
「ありがとう」
少女は帽子をして、変装をしていたが、どこか見覚えのある顔をしていた。もしかしてずーみんか?
「ずーみんか?確かアイドルを引退してから、芸能活動を止めたんだよな。そのちょっと後に結婚したんじゃなかったか?」
「私のこと覚えている人まだいたんだ。あの後あのニュースは見たでしょ。それで私は別れたの。今は何をしようか迷ってる段階」
「芸能界引退したのに、まだ週刊誌の記者に追われているのか。俺が知っていたのは櫻坂の前身の欅坂からのファンだからだ」
するとずーみんはそうなんだと言った。それにしても芸能界引退したのに、秋葉にばれる可能性があるのに、わざわざくる理由はなんだ?ここはアイドルファンの聖地でもあるんだから。
「なんでわざわざ秋葉に?」
「自分の商品価値を確かめたくて、芸能界復帰を考えてるから」
「それならそれなりにファンはまだいると思うぞ。度々ずーみんは今何をやってるのかと話題になっているし。きっと復帰をファンはま望んでいるだろう。人生一度きりだ。回りをきにせず好きなことをやって、生きていくべきだ。もし復帰するなら、応援するぞ」
「ありがとその言葉で踏ん切りがついたよ。復帰してみるね。これから忙しくなるね」
ずーみんは笑みを見せて言った。まぁ背中を押せたならよしとしようか。俺達はアイドルショップで好きなものを見ていた。ずーみんは自分のグッツの値段を見ている。まぁ卒業したから、それなりに経っているし、値段は落ちているだろう。それでもそれなりの値段がしていた。それだけ未だに人気はあるってことだろう。
「うーん卒業して時間経ってこれならまぁまぁだね」
「まぁずーみんは根強い人気があったからな。結婚報告のときショックを受けてたファンはXでかなりいたし」
卒業報告のときもすごかったが。いつでも笑顔を絶やさないでいたずーみんは本物のアイドルだろう。付き合ったのも卒業してからと聞いたし。
「そうなんだね。そういえば名前聞いてなかったね。何て名前なの?」
「俺は菅原隆景だ。んでこっちが望月るなだ」
「よろしくね菅原、望月」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
「もしかして菅原ってゆっかーと親戚だったりする?なんか雰囲気が似てるっていうか」
「義理の姉だ。子供の頃から一緒に育ったから、似てるように見えるんだろ」
するとるなもは驚いた表情をする。まぁトップアイドル二人と知り合いだから、そうなるか。まぁどっちも俺のことを男としては見てないと思うが。
「トップアイドル二人と親しいって、ファンからしたら刺されかねないね」
「まぁだから姉さんにも兄妹がいることは公表しないでと言ってあるし、るんにも親しい男友達はいないってことにしてあるからな。ばれたら本当に何をされるか分からないし。るん達にも被害が及ぶからな」
トップアイドルと親しいというのは隠しとおさなければかなり危ないことが起こりかねない。俺もるん達も。危険は回避した方がいいだろう。
「ゆっかーの義理の弟なんだー。道理で優しいわけだ。やっぱり姉弟で似るもんだね」
「俺は姉さんほど優しくはないがな。あのレベルはもう仏だ」
姉さんいっつも俺を気にかけてくれるし、ほんといい姉だよ。姉じゃなきゃ好きになっていた可能性は高いだろう。美人で優しいとか無敵すぎるしな。まぁ姉さんが姉じゃなかったら、関わることもなかっただろうが。
「そんなことないと思うけど、いっつもゆっかーは菅原の話をしていたからね。優しいだの。気を遣えるだの。イケメンだの。照れた顔がかわいいとかね」
どんだけ俺のことを姉さんは話してるんだよ。まぁ悪い気はしないが。そんなことを話しながら、俺達はグッツをみていた。そしてるんのほしかったキーホルダーを見つけたので、それを買うことにした。
るなもはるんのアクエリルスタンドを買っていた。ずーみんは市場調査に来ただけだから、買っていない。それにずーみんはアイドルとして所属していたんだから、グッツを買う気にはならないだろう。
俺達はそれぞれかいたいもの買ったので、外にでた。
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