第14話

そして、俺はるんの部屋に向かった。るんが櫻坂の活動がないときは一緒に学校に向かっている。それくらい俺達は幼馴染として仲がいい。進学校だから、嫉妬はしてもいじめはない。まぁ避けられてる感はあるがな。るんみたいなトップアイドルと仲がいいんだから、それは仕方ないと割りきっている。


マンションで部屋は同じ階だから、すぐに着いた。俺はピンポンを鳴らす。


『はーい待っていてねー。隆景くん』


いつもこの時間だから、用意はできているだろう。少し待つと扉が開いた。るんが扉からでてきた。そのスカートから伸びる足は整っている。やっぱり制服のスカートって最高だな。制服を発明した人は神だと思うわ。


「お待たせー。それじゃ行こっか」


「ああ、るん今日はロングのかつらを被っているんだな」


るんは学校に行くときも変装をしていっている。どこで記者が張り込んで、記事を書くか分からないからな。もしばれたら、俺とるんは一緒に登校できないだろう。それくらい重要度が高いってことだ。


「うん、毎日同じかつらだと、ばれるからね」


るんほどの美少女なら、毎回同じ家から、でてきていたら、芸能人だと少なくともばれるだろうからな。そこから調べあげられたら、るんだとばれる可能性が高い。俺達は学校に向かった。


「そうか、ロングも似合っているぞ。メガネもあわせて、知的に見える。文学少女の美少女って感じだな」


「んふふふそれは嬉しいよ。美少女ってやっぱり隆景くんに言われると違うね」

 

まぁ他のやつらは下心ありで、言ってるからな。うちの学校は共学してまもないから、男はあまりいないが。たくさんのいる女子の中でもるんは目立つから、告白は絶えないが。誰もるんのことをばらしたりもしないが。さすが進学校って感じがする。


「そうか、それとこの間のるんが表紙の雑誌見たぞ。めちゃくちゃ弾ける笑顔で、可愛かった。無表情のやつはるんがいかに顔が整っているのかが分かるものだったな」


「ありがと、ちょっと親しい人に雑誌を見られるのは恥ずかしいけど、それ以上に誉めてくれて、可愛いと言われるのはもっと嬉しいよ」


「それならよかったわ。おっと駅に着いたな」


人でごった返している。さすがいつもながら、東京は人多すぎだろと思う。まぁもう少しで、千葉に引っ越せるから、この満員電車から逃れられるが。それが東京から、千葉に引っ越せるので嬉しかったことの一つだ。まぁそれ以上にるなもとは離れ離れになるのは悲しいが。


そしてるんが痴漢されないようにドアのほうにより、俺は自分の体でるんに他の人がさわれないようにした。マジでこんな感じで、守ってないと痴漢される可能性が高いからな。るんは美少女だから、狙われる可能性が高いのだ。


「いっつもありがとね」


「俺は俺にできることをしてるまでだ。るんが嫌な思いをしてほしくないからな。まぁ千葉にいったら、こんなことをやらなくても満員電車になることはないから、多分大丈夫だろうが」


俺とるんは話しながら、高校の最寄り駅に着くのを待っていた。なかには怪しげな動きで、るんに近づこうと思ってそうなものもいたが、俺がひと睨みすると、去っていた。まぁ痴漢してくるやつなんて、気が大きいやつは少ないからな。


そんなことをしていると、学校の最寄り駅に着いた。今日も何事もなく、駅に着いたことで、安心した。後もう少しの辛抱だから、それまでは守るか。


そして学校に向かっていると、後ろから肩を叩かれた。後ろを振り向くと、るなもがいた。


「おはよう隆景先輩。るん先輩もおはようございます」


「おはようるなも」


「おはようるなもちゃん」


「二人は揃って登校?さすが幼馴染み。周りが嫉妬するはずだよ」


「男が少ないから、そこまでだが。これがもっと男が多かったら、やばかっただろうな」


次の転校先である学校は進学校だが、不安である。るんがばらされないか、それと嫉妬でなにかをやってくるやつがいないか。ファンがいたらそれをどうにかしなきゃいけないしな。まぁ入ってから、それはどうにかするか。


「私も一緒に行っていいかな?」


「るんはどうだ?」


「私は大丈夫だよ。まぁ隆景くんが余計に目立つことになるけど」


そうなんだよな。美少女を二人もつれて、歩いていたら、いろんな所から嫉妬の視線を受けて、学校に向かいづらくなるんだよな。まぁでもそれよりるなもと登校できるほうが楽しいから、我慢できるが。


「まぁ俺はある程度はなれているから、別に大丈夫だ」


「それじゃ一緒に行こ」


俺達は三人で、学校に向かう。やはりというか、あちらこちらから嫉妬のこもった視線を受ける。学校の二大美少女と呼ばれている二人をつれているし、それが俺みたいなフツメンだとなんであんなやつがとなる。


まぁ気にしたら負けだ。るんと一緒にいると思った時点で、このくらいは予想の範疇だ。視線にさらされながら、学校へと向かっていった。隣ではるんとるなもが楽しそうに話している。二人ともアイドル好きだから、盛り上がるものがあるんだろう。

















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