第15話

やがて学校に着くと、さらに視線を浴びる。ハーレムかよくそがという声も聞こえ来る。だがな俺はなるなもには振られているから、ハーレムではない。振られてなきゃハーレムと思われても仕方ないかもしれないがな。まぁるんに関しては近しい幼馴染みって感じだろう。


「それじゃ私はこっちなので、ここでお別れです。またです。るん先輩、隆景先輩」


「ああ、またなるん」


「またねーるなもちゃん」


俺達はるなもと別れると、自分達の教室に向かった。今日はなんの本を読もうかね。数冊持ってきたが、気分でどれを読むか決めようと思っていたから、まだどれを読むか決めてない。


教室に入ると、男の刺さるような視線を受けるが、いつも通りだから、気にしない。慣れってすごいな。俺はいつも通り、自分の席に座った。るんは他の女子の友達のところに行った。


「それじゃ心理学の本でも読むか」


俺は社会心理学の本を読み始めた。へぇーこいう仕草をしていると、こんなことを考えているのか、これはコミュニケーションに役立ちそうだな。まぁしゃべる相手なんて、るんとるなもと姉さんしかいないが。実践をしてみるのも悪くないか。恋愛に関しては当てにはならないから、確かめなくていいか。


読み進めていると、チャイムがなったので、俺は本を閉じて、先生が来るのを待った。少し経ち先生が入ってきて、ホームルームを始めて、最近やくざがうろちょろしてるから気を付けろよーと軽い感じで言っていた。いやヤクザがうろちょろしてるのはそんなに軽いことじゃないだろ。周りのクラスメイトも不安げだ。るんとるなもだけは守って見せるか。


「それじゃホームルームを終わりにする。できるだけ一人で帰るなよー」


そう言って、先生は教室をでていった。そして俺達は移動教室の準備をする。一限目から、物理というなんともやな一日の始まりかただ。あの物理で使う式が意味分かんないんだよな。数学と一緒の感じしかしない。まぁ俺は私立文系志望だから、理系は関係ないから、寝るがな。それにもう転校するから、ここの先生の評価なんか気にしなくていいし。


「あ、隆景くん。一緒に行こ」


「いいぞ、相変わらず周りがこっちを見ているが」


「まぁ私はどんなことがあろうと、隆景くんと一緒にいるよ」


そう言うと、周りはがっくしと肩を落とした。まぁ多分るんが転校することは、周りには知られているだろうから、その前に仲良くして、転校後も交流を持ちたいと思ってる奴らや最後の思い出作りを持ちたいやつもいるのだろう。それをるんはぶった切っているが。


「それじゃ行こ」


るんは軽やかな足取りで廊下にでた。俺も財布と携帯を持ち、クラスをでた。そして食堂に来た。相変わらず都立なのに食堂があるとは都立の進学校はお金を持っているな。県立じゃこうもいかないだろう。そしてあと何回か歯科これない食堂でラーメンの食券を買って、それを作ってる人に見せた。ここのラーメン結構安いのに美味しいんだよな。もう食べれないと思うと少し残念だ。今年の文化祭に来て、食べに来ようか。


「相変わらずラーメン好きだよねー」


「俺の体の1/3はラーメンできてるからな」


「後の2/3は?」


「マッカンだな」


「ほぼマッカンじゃん!どんだけマッカン好きなの」


仕方ないだろ。あの特徴的な黄色いマックスと書かれた見た目が俺を誘ってくるんだから。飲んだら幸せになれるぞーってな。なにそれ薬物じゃん。まぁある意味止められないし、依存性があるってところではそうかもしれないが。


「俺はマッカンなしでは生きていけない体なんだよ」


「完全に喫煙者の言っていることと同じなんだけど。ほんとあんまり飲み過ぎないでね。糖尿病になったら好きなマッカンも飲めなくなるんだからね」


なんだと、それはまずい。飲む本数減らして、辛いのを食べて誤魔化すか。結局味覚に刺激があるものを食べるんだな。


「分かってるよ。っとラーメンできたみたいだな」


俺はラーメンを受け取った。るんもカレーライスを受け取ったようだ。俺達は空いている席に座る。相変わらずるんは男の視線を集めているが、本人は全く気にした様子がない。慣れってすごいよな。


「それじゃいただきます」


こってり北海道味噌ラーメンである。スープをまず飲む。風味があって、コクのある味わいで、麺がちぢり麺で、スープによく絡み美味しい。辛味噌以外だと、やっぱり北海道味噌ラーメンがいいよな。辛味噌は喉にこびりつく辛さがいいんだが。あれと玉ねぎはよく合う。


俺はあっという間に麺を食べ終わり、スープも飲んでいた。体がぽかぽかするわ。


完全に食べ終わると、るんもカレーライスを食べ終わっていた。俺達は食堂で姉さんの天然ぶりを笑顔で話していた。やっぱり姉さんの天然ぷりは最高に可愛いということを再認識した。


そんな感じで過ごしていると、10分前のチャイムが鳴った。


「そろそろ教室に戻るか。午後は日本史とフランス語だから、楽勝だな」


「文系は成績トップクラスなのに、なんで理系はできないの」


「数式みると眠くなるんだよ。数字羅列とか呪文だろ」


「まぁ大学受験で数学使わないならいいや。それでも赤点は取らないようにね?」


「ふっ苦手でも数学の先生がだす問題は研究をしたからな。大問一は完全にできるようにするから、問題ない」


「そこまでできるなら高得点取れると思うんだけど」


「俺は興味のないもなは最低限しかやらない主義なんだよ。だから、理系で高得点を目指すことはない」


るんは呆れた顔をしながらもまぁいいやと言っていた。俺達は教室に向かっていた。










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