木屋町の女たち 1 モナ

Picaserica

第1話 年下の先輩、モナと出会う

「お前が殴らせたんやろ。どうせどっこも行かれへん。」


「さっちゃん、電車、見に行こうね」




私は1時間前、家庭内暴力から、2歳の娘と逃げた。

目は殴られて青く腫れている。

もう21時か‥

行くあてもなく、JR構内のベンチに腰掛け、外の雪景色を眺めていた。師走の大阪行きホームには、金曜にも関わらず他に誰もいなかった。行くあてのない、そして見るも無惨な顔の私にとっては救いだった。

ちらっと左を見ると、

娘が肩をすぼめてちょこんと座っている。

電車が来るたびに、「電車!」と指さしては、微笑んだ。しかし少々時間が長くなってきたのか、時折私の腰を抱きしめたり、寄りかかるようになってきた。

いつもなら寝ている時間だ。


高校を卒業して、国立大学受験に失敗した私には、浪人という選択肢は与えてもらえなかった。母子家庭で、そんな余裕はなかったのだ。それまで公立進学校に通い、努力の甲斐もあって、間違いなく国立医学部に受かるだろうと、ちやほやされてきた私にとって、失敗、そして学歴の終焉は、この上ない虚無感に襲われる出来事だった。なんで、あんなに勉強したのに。人よりずっと努力したのに。塾に通わせてもらえたら違ったのかもしれない。あの参考書が買えたら受かったかもしれない。どうして私だけこんなに貧乏で、どうして恵まれないのかと、環境や社会のせいにした。

そして、就職後も、学生時代の夢との乖離から心は曇り続けていた。ただたんたんと仕事をこなして過ごした。そこで、出会った大人は、高校を卒業していなくても、学歴がなくても、こんなふうに生きていけるんだと私を諭した。そんな大人に心を開き、自分の居場所を見つけた私は、結婚というものに逃げたのだ。


18才で結婚し、程なく妊娠、女児を出産した。

娘が2歳になる頃、私が貯めていた貯金が尽きた。夫は、生活費として1万5千円を毎月私に渡していた。私はその中で食費や雑費をやりくりしないといけないのだが、足りなかった。夫に伝えても、私のやりくり不足と、増額される事はなかった。働いていない、養ってもらっている身の私は何も言えず、貯金から毎月2-3万を使っていた。

お金が足りないと言うと、今度は夫は風水に頼れと言い出した。髪の毛一本も床に落としてはいけない。気の通りが悪くなる。そのせいで俺の稼ぎが少ない。私のせいで、稼ぎが悪い。私のやりくり不足で、家計が回らない。

おかしいと思った。

15000円でやりくりは困難だし、2歳の子どもを育てながら、髪の毛一本落ちてない部屋を維持するなんて不可能だ。

私は夫にそのような事を伝えたと思う。

そこから、暴力は始まった。

夫は落ちている髪の毛をひろっては、ちゃんと掃除しろと怒鳴り、足蹴にした。

娘とともにインフルエンザにかかった日、夕ご飯を作れなかった私を、雪が積もるベランダに出し、中から鍵をかけた。

『お前が、俺をこうさせてる。死ね』


『開けて!さっちゃんには何もしないで!』

という声を聞いて、隣の家の窓があいた。

3歳と1歳の母親で、よく遊んでくれる人だ。

家の内情までは話さないし、防音もしっかりされているマンションだったからか、驚いた様子で

『どうしたん?閉められたん?さっちゃんが危ないん?さっちゃんが閉めたんじゃないってこと?ピンポンするわ!』


ピンポーンピンポーンピンポーン

カチャッ

夫がでた。

『いやぁーすんません。嫁がうるさくしましてえー。さつきがベランダの鍵閉めましてぇー』

『え?さっちゃんが閉めたんじゃないって言ってましたけど、本当?さっちゃんママはいますか?』


ガラガラっ

『お前は俺を地元でも生きていかれへんようにする気か!はよ出ろや』

『さつきが閉めた事にしろよ。』


隣人は全てを悟って、また明日遊ぼうねと言って、かえった。


次の日、夫の出勤後に、隣人が訪ねてきた。

『さっちゃんママ、ほんまのこと、話してくれへん?内緒にするから。暴力なんちゃうん?』

涙が出た。何かあったら隣に泊まりにおいでとも言ってくれた。でも、巻き込むわけにはいかない。この二階建ての賃貸マンションは、夫の実家の所有物だ。隣人に何かあっては困る。

それから私たちは、児童相談所に連絡した。

シェルターという保護施設があるらしい。

しかし、警察沙汰になってからしか動けないらしい。警察は、現行犯でしか動けないらしい。

困難だ。

こうして、DVの成れの果てに無理心中する親子が出てくるのだろう。


12月に入り、児童館はクリスマスムードになった。

私はさつきにクリスマスプレゼントを買ってあげたかった。

『なぁ、明日な、さつきのクリスマスプレゼント、買いに行かへん?』

夫を誘った。

『え?お前、お金ないっていってるくせに、余裕あんねんな』

夫が買ってくれると思っていた私は黙ってしまった。

『あぁ、そうですか。俺に金払わす気やったってことですか。あかん父親って言いたいんですか。生活費、渡してますよねー』


また、夫のスイッチが入りかけた。

私がそこで我慢したら良かったのかもしれない。しかし、一度聞いてみたかった事を、聞かずにいられなかった。


『なんで、働いてくれてるのにこんなにお金ないん?』


些細な一言のつもりだった。でもパンドラの箱を開けるかもとは少し思っていた。

結果、返ってきたのは、これまでとはレベルの違う暴力だった。

包丁を私たちに投げ、私の腕に当たった。

左腕からさぁーっと血が流れた。

さつきは恐怖でワーワー泣いた。

そんなさつきを、『うるさい!!』と蹴った。

蹴った衝撃でさつきは嘔吐し、グッタリした。


もう、この人を殺そう


私は転がった包丁に手を伸ばした。

しかし包丁に届く前に後頭部を何かで殴られ、

振り向いて夫の顔を見る間もなく、顔を殴られた。意識が朦朧とする中で、まるまっている娘に覆い被さった。


ガチャン!!


玄関のドアが閉まり、夫が外出したのがわかった。するとすぐさま、もう一度ドアが開いた。

隣人だ。


『さつきちゃんママ!警察呼ぼう!』


呼べば良かったのかもしれない。

でも、呼べなかった。勇気がなかった。

警察を呼ぶということは、娘の父親を犯罪者にしてしまうという事だ。


隣人は、そんな私を見て、待っててねと家に戻り、30分程たって、帰ってきた。

『さつきちゃんママ、こんなんでごめん。こんだけしか今なかってん。これ持って、これ持って逃げ!!』

レジ袋に10万円が入っていた。

『いや、そんなん無理です。こんなお金。そんなん悪いです。大丈夫です。』


『いいから、安定したら返してくれたらいいから!このレシートの裏に電話番号書いといたから!!困ったら電話してくれたらいいから!早く、早く準備しい!帰ってくるで!今やったら車でどっかいったはるから!!ほら!』


確かに、玄関から見える駐車場に、うちの車はなかった。

何を準備していいかわからなかった。

私が持っていきたいものは1つだった。

娘だ。


たくさん服を着せた。気に入っているクマのぬいぐるみも持たせた。

お金が入っているレジ袋に、携帯電話と財布、母子手帳を入れた。

隣人は涙ながらに私とさつきを抱きしめた。

『気づいてあげられなくて、こんなんでしか助けてあげられなくて、ごめんな。絶対いつか遊びにいこな!!』


プップー と車のクラクションがした。

隣人の車だ。隣人の夫がすこし焦って手招きしている。

指した指の方を見ると、暗がりに車のヘッドライトが近づいてきている。

夫だ。夫が帰ってこようとしている。


『さつきちゃんママ急いで!!後はなんとかなる!!いや、する!はよのって!』


緊迫している中で、さつきはぼんやりしていた。

私は悟られまいと、一呼吸した。


『さつき、クマさんと電車みにいこう!』


隣人の車に乗り込み、発車する時、駐車場についた夫はゆっくりと車から降りて、追いかけるそぶりはなかった。


『お前が殴らせたんやろ。どうせどっこも行かれへん。』


車の横に立つ夫の姿がだんだん小さくなっていく。切迫した恐怖心が穏やかになっていくのを感じる‥


隣人はどこまでも運転する気でいた。

でも、そういうわけにはいかない。

『彦根の駅まで、お願いしていいですか?そこからは、2人でやっていきます。』

『彦根?すぐそこやん?都会までいくで!大津とか』

『大丈夫です。もうこれ以上は本当に申し訳ないです。自宅も心配です。』

『大丈夫、子どもは実家に預けてきたし、それでさっきちょっと時間かかってしまって。ほんまに力になりたいねん。』

『僕、僕らじつは、気づいてたんです。旦那さんの声とか聞こえることもあって、放っておいて、悪かったと思ってるんです。どこまででも運転しますよ。ほんまに。』


彦根の駅に着いた。

綺麗な雪景色だ。

『ほんまにここでええの?』

『大丈夫です。絶対、絶対恩返しに来ます。ホンマにありがとう』

涙で声が震えた。

『ありあとう』さつきは笑っている。

一緒に車を降りた隣人が、私を娘ごと抱きしめた。

絶対、一生忘れない。この感謝は絶対に忘れない。

必ず、笑顔で恩返しにくる。

なぜか前向きになって、大阪行きの切符を書い、ホームに向かった。

隣人は私から見えなくなるまで動かなかった。



すぐには大阪行きの列車に乗れなかった。

大阪に行って、どうするのだろう。


実家に電話をかけてみようか。


実家は大阪にあった。50代の母と、柴犬で暮らしている。古いアパートだが、2部屋ある。一部屋は、昔の私の部屋だ。結婚して、滋賀に行ってからは年に2回程大阪に行く程度だった。私の貯金が尽きてからはそれも難しくなり、携帯料金も節約のため、1ヶ月に一回程度少し娘の声を聞かせて切るような関係性だった。


プルルルループルルルルー

何度かなって、留守番電話サービスに切り替わりかけた時、『はい。』とよそよそしく母の声がした。

『お母さん?あのさ、実は‥』

私は今までの事を話した。

母に言えたことでホッとしたのか涙がこぼれ落ちてやまなかった。

ひと通り話し終えて、

『今から家に帰ってもいい?』

と聞いた。


『あんたの帰る場所はないよ。』


母はたんたんと言い放った。

『突然結婚するって出ていって、帰れるわけないやろ。自分でなんとかしい』


電話が切れた。

思えばいつも、私から電話を切っていたので、切れた後のツーツーという音が寂しく響いた。


もう、自分しかいない。

この子には、自分しかいない。


眠そうな娘を座り直させると、

ニコッと笑う。

『ミロ飲みたい』


すぐ隣の自販機で温かいミルクココアを買った。

『おいちいね』

娘の笑顔に、笑顔で答えた。

自動販売機の横に、バイト募集の冊子が並べられている。こんなもので見つかるわけないか‥

と思いながら、手にした。

『お触りなし。キャバクラ。寮あり。保育園完備。即日より相談可。いつでもお電話下さい』


キャバクラだろうが、触られようが

なんだろうがどうでも良かった。

居場所が欲しかった。

この子と安心して暮らせる、居場所が欲しい。

  寮あり‥

無我夢中で電話をかけた。

さっき母親にかけた時よりも気持ちは前向きだった。何かに飛び込むようなそんな気持ちだった。

『お電話有難うございます。ドリームです。』

低くて、しっとりした声で、ホッとした。

『あ、あの、募集の紙をみて、ご応募したく、連絡させて頂きました。』

『おいくつですか?』

『21です。』

『明日から働けますか?』

『‥初めてで、2歳の娘がいて、顔を殴られてて、住むところもないんです。顔も腫れてますし、明日からは無理です』

『今、今どこから電話されてるんですか?』

『彦根です。JRの』

『まだ間に合います。今から京都にきて下さい。三条京阪のドゲザゾウの前で待ってます。京都駅で降りて、また連絡して下さい。案内します。』

怖い‥話はこんなに早く進むものなのか‥

裏があるのだろう‥

でも、行かなきゃ。

裏なんて、裏でも居場所があればいい。

居場所を探しに行かなきゃ。

この子の居場所を見つけられるの私だけだ。

アルバイト冊子をレジ袋に入れ、電車に乗った。


携帯電話は、夫の名義だった。

大阪行きの電車に乗ってすぐ、使えなくなった。

使えなくすれば私が困って、帰ってくると思ったのだろう。


『三条京阪のドゲザゾウ』


京都駅でおりると、大きな地図があった。

京阪7条まで娘を抱いて長い道のりを歩いた。

京都タワーを背に東にひたすら歩いた。

鴨川について、やっと、京都らしさを感じた。

地下に降り、京阪線に乗って、三条駅まではすぐだった。


三条駅構内の地図に、『ドゲザゾウ』はのっていなかった。

駅員さんに聞いた。

『ドゲザゾウってどこですか?』

『ドゲザゾウはその階段を登って、地上に出てカワバタの信号を渡ったところにある駐車場のカドです。』


地上に出ると、七条とは違う景色だった。

雪の夜の京都はオレンジ色で煌びやかだった。

たぶんカワバタと呼ばれる通りの信号を待っていた。確かに渡った所に異様に暗くて大きな駐車場がある。

振り返ると暖かく光る雪が、橋の欄干に乗っている。娘はそれをプスップスッと指で刺しては、『ママ、穴あいた。』と楽しそうだった。

あの暗がりの駐車場の角に、ドゲザゾウとかいうものがあるらしい。そしてそこに、あの人がいるはずだ。とにかくこの信号が青になれば、私の人生が変わる‥


もうすぐ青になろうかという時、

『彦根はやはり遠いですね。2時間は待ったんじゃないかな‥』

突然、全身黒服金髪メガネの男が後ろから話しかけてきた。でもこの声は間違いなく、あの人だ。

『ドゲザゾウはあっちときいて。ここでしたか?』

『いや、ドケザゾウはあっちであってます。京阪から来るだろうと思って、2歳の娘ときいてたので、こんな時間に抱っこしているのはあなただと思って。』

私?そしてあなた?丁寧なキャバクラの人だな‥もっと怖いイメージやったけど‥

『雪遊びしてたん?初めまして。この時期につもるのは珍しいんやでー。』

娘の前でしゃがんで笑顔で話しかける彼。

少し、信じられる気がする。

『じゃ、行きましょっか。』

『あ、あの、この子連れて、いきなり、こんなお岩さんみたいな人を店にはまだ無理です』

必死で抵抗した私に

『あは、あははははっ』

キャラに合わず大爆笑しだす彼

『今日はとりあえず寮に行きます。目が治ったら店に出てもらいます。娘さんの保育園の入園準備もここ1週間でやりましょう。あと、これ』

細い白い長い指に、10万円が挟まれ、私に握らせた。

10万‥ 隣人を思い出す。すごく前のような気がするが、同じ今晩だ。

この10万は一体いくらで返す事になるんだろう。怖いな‥と思いながらも、財布にいれ、鴨川を渡ろうとした時、

『あっ』

突然、男が止まって振り返る。


『ちなみにドゲザゾウはあちらです。』


薄暗い駐車場の角、木に隠れるように、確かに『土下座』している侍が見える。

『土下座像』だったのか‥


こちらを振り向き、ニヤリと男は笑った。


『土下座像はこれからお世話になります。覚えておいて損はない。1週間はそのお金で暮らして下さい。すぐ返せます。保育園は八阪神社を右にいってすぐのビルの最上階です。明日には行っておいてください。あと、この名刺持って。この名刺があると、半額なんで。うちが半額出してるんで。』

『遥‥はるかってなんですか?』

『ああ、あなたの源氏名です。遥、いいでしょ』

ドリームチャイナの遥、あの電話からもう、この名刺を作ったっていうこと?

2時間、ずっと待ってたわけじゃなさそうだ。

連絡も取れないわけのわからない相手の名刺を作って、迎えにくる。

この世界はそういうところなのか。

暖かいのか、それとも名刺や数時間の待ちぼうけなんてどうでもいいくらいの利益を見越した、私にとって恐ろしい現実が待っているのか‥

そんな事を考えながら男の後ろをついていった。

もう日付が変わる頃なのに、人がたくさんいる。誰もが楽しそうに笑ってる。

鴨川をこえて一本入ると、もう一つ小さな川が流れていた。京都らしい風情のある川だ。その川に並ぶように道がはしり、店舗が軒を連ねている。雑踏ビルの中には何店舗もの夜の店が入って、看板がぼんやり光っている。

突然、男が足を止めて振り返った。

『娘さん、重かったでしょ。今夜はゆっくり休んでください。ここです。』

きっと木屋町のど真ん中と言ってもいい所に、三階建のビルがあった。

居酒屋の横の自動ドアを開けるとエレベーターがあった。2階はドリームグループ本社、三階にはなにもかかれていない。チーンとエレベーターが開いた。三階には4戸、ワンルームマンションがあった。

その一室に通された。

『だいたいのものはそろってます。稼いだらみんなすぐ出て行きますけど、僕はコンパクトで好きなんだがなぁ』

たがなぁ⁈ 若く見えるけど歳いってるのか?

そんな事を考える余裕さえ、できていた。

『木屋町三条に24時間営業のお店あるんで

お腹すいてたらそこお勧めです。どんぶりの他にハンバーグとかもあるからね。』

と、眠そうな娘の方をみて、

『じゃ、またねー』と頭をなで、

バタンとドアを閉めたあと、

ポストに鍵がカシャンと入れられ

『鍵は本物とスペアキーなのでなくさないようにして下さいね』

とポストの高さで声が聞こえた。


外の雑踏とは裏腹に、シーンとした静寂が訪れていた。

娘はマットレスでいつのまにか寝息をたてていた。疲れたろう。怖かったろう。

自然と涙が溢れた。

これからどうなるんだろう。

娘が寝ている間に飲み物を買いに行こうとドアを開けた。

エレベーターを待っていると、他の部屋のドアが開いた。

いかにも夜の女そうな人がドアから出てくる。

そして、えっ。

『もーはよしー。エレベーターきてるでー』

『たっちゃんもいくー だっこー』

『開けときますよ!』

『いや、すいませんあれやったら先行っといて下さい!』

『いえ、大丈夫です。どうぞ。ゆっくりと』

乗り込んできたの高校生にも見えなくはない母親と、抱かれた2歳ぐらいの男の子だ。

『やから保育園の帰りに買おなっていってん。すいません。騒がしくて。‥‥あ、新しく入らはるんですか?って目、ヤバいですよ!!DVやったらウチとオソロですけど!』

ウチとオソロ?

チーン

一階についた。

『うち、ドリームチャイナのモナっていいます。そのアザ治ったらよろしくー。あ、モナリザに似てるからモナやねんて。なんかひどない?笑 じゃー』

さっき私達があるいてきた方にかけて行った。

2時か‥仕事が終わったんか?

そういえば24時間営業の店があるって言ってたな‥でも今はお腹はすいてないや‥

モナさん‥DVおそろ‥保育園‥


もしかして。

もしかして私、

   ついてる⁈

とにかく今日は寝よう。

明日は保育園に行ってみよう。

なんだか前が向ける。

1人じゃない気がする。

すごく眠い‥

 昨日までの私が知らない遥に、

    明日からなるんだ‥

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