第87話定番モンスター
ー「渋谷ダンジョン:十八階層」ー
「みなさんこんにちは!『ネクロマンサーのダンジョン散歩』へようこそ!」
『こんにちは!』
『こんにちはー』
『今日も楽しみ!』
勇二と遊んでリフレッシュをした彰悟は何時ものごとく渋谷ダンジョンにやってきていた。
「じゃあ今日も十八階層を探索していきましょうか!そろそろ夏休みも終わるのでできれば今日中に十九階層に続く階段を見つけたいと思います。」
いつもの様にはじめに今日の目標を視聴者に言うと早速コータに乗った彰悟は十八階層を進みはじめた。
「前回果実鹿の群れに会えたけど今回も会えるかな?」
「どうでしょうか…ダンジョンは広いですからね…。」
『果実鹿の子供可愛かったな~』
『まぁでも会えないだろうな』
『てか逃がしたモンスターとか仲良くなったモンスターと再会するような事ってあるの?』
「さぁ?どうなんでしょうかね…。」
『実際あるらしいぞ?傷つけて逃がしモンスターにつぎ潜った時にまた襲われたとか、弱いモンスターを苛めて遊んでたら逃げられた挙げ句そのモンスターが進化して殺されかけたとか…』
「そんなことがあるんですね。」
『都市伝説みたいなもんだけどな』
「へぇ~。」
ほかにもモンスターはダンジョンで亡くなった開拓者説やダンジョンは神が作った説などダンジョン関連の都市伝説についての話しが盛り上がっていると、
「カタカタ!」
とダガスケが敵から逃げながら彰悟たちの前に現れた。
「ダガスケ!」
「グルァ!」
ダガスケの後を追いかけていた格闘ベアだったが目の前に彰悟たちが現れたためその場に止まり彰悟たちを警戒するように唸り声をあげた。
「ゴンゾー。」
「はっ!」
唸り声を上げる格闘ベアの前に出たゴンゾーは大刀を抜くと格闘ベアに向けてかまえた。
「グルルルルルル!」
「…。」
「ジジ、土魔法で格闘ベアを拘束してくれ。」
「チチ。」
警戒している格闘ベアをみた彰悟はジジに指示を出して格闘ベアの四肢を土魔法で拘束させた。
「!?グルァ!」
「スキあり!」
ゴンゾーに集中していた格闘ベアは気付けば自分の四肢が拘束されており、そこに気を取られたスキにゴンゾーに首を切られてしまった。
「ふぅ、お館様終わりました。」
「やっぱ切れ味凄いな、これなら十九階層も簡単かもしれないな。」
『ある意味チート武器だな』
『まぁ二十階層の目標達成できそうで良いんじゃない?』
「そうですね。」
倒した格闘ベアの解体をスケルトンたちに任せた彰悟は十八階層のダンジョンマップを眺めて空白になっている部分が後どれぐらいかを確認した。
「十八階層も空白はあと四割位か。」
『十八階層はあんまりモンスター出てこないもんね』
『その代わり今までの階層からみたらかなりモンスター強くなってるよな』
『フォレストレオパードに格闘ベアに吸血タイガーに果実鹿でしょ?鹿以外ヒョウに熊に虎ってやっぱり攻撃力あるモンスターだよな』
「確かに野生の動物的にも狂暴なラインナップですね。」
「カタカタ」
解体を終えたスケルトンたちから素材を受け取った彰悟はマジックバックに素材をしまうとマジックマップの空白に向けて再び探索をはじめた。
「お、水場だったんだ。」
空白の場所について少しすると樹海の中から小さな池が現れた。
「ルドスケ、池の中にモンスターがいないか確かめてきてくれないか?」
「カタカタ。」
彰悟に頼まれた盾持ちのスケルトンであるルドスケが盾をかまえながら池に近付いた。
「…。」
「大丈夫なのか?」
池についたルドスケが無事だったので彰悟はなにもなかったかと思ったが、
ピチョン
「ん?ピチョン?」
いきなり池の水面に波紋が広がると池のなかから、
「………。」
どろどろのアメーバみたいなモンスターが現れた。
「な、なんだ?」
いきなり現れたモンスターに彰悟が驚いていると視聴者の一人が、
『あ、スライムじゃん』
とコメントした。
「え!これがスライムなんですか?」
『え~!』
『あの某ゲームみたいにモチモチじゃないの!?』
『なんかグロい…』
イメージしていたスライムと似ても似つかない姿に彰悟と他の視聴者たちが驚いている間にもスライムはルドスケにゆっくりと近付くとルドスケの足に触れた。
ジューーーー!!!
「!カタカタ!?」
「ルドスケ!?」
スライムに触られたルドスケの足は一瞬で溶けてしまいルドスケはバランスを崩し倒れてしまった。
「ジジ!火魔法!」
「チチ!」
慌てた彰悟に指示を受けたジジが火の玉をスライムに当てるとスライムは抵抗をするまもなく全身に火がまわるとビー玉のようなものを残して死んでしまった。
「…なんだったんだあのスライム。」
『スライムは火に弱いから火をつけると簡単に倒せるんだよ。』
「なるほど、だから簡単に倒せたんですね。」
『ちなみにスライムは倒しかたさえ分かってれば弱いモンスターだけど身体は高濃度の酸だから気を付けてね』
「そうだったんですね。情報ありがとうございます。」
『ちなみにスライムが残したのは【スライムの核】で素材になるらしい』
「へぇ~、じゃあ持って帰るか。」
さっきこのモンスターがスライムだと教えてくれた視聴者によるスライムの補足を聞いた彰悟は落ちていた【スライムの核】を拾いマジックバックにしまうと骨を再生させているルドスケに近付いた。
「どうだルドスケ。足再生できるか?」
「カタカタ。」
「できると言ってます。」
「そうか、じゃあとりあえずルドスケが治るまで休憩だな。」
ルドスケを待つ間、まだ池にスライムがいるかすばやいダガスケを使い確かめたがスライムはこの一体しかいなかった。
「カタカタ!!」
「お、治ったか。じゃあ探索再開!」
十九階層への階段もなくスライムもいなかった為ルドスケの足が治るとすぐに探索を再開した彰悟たちが更に十八階層の奥を探索していると、
「お館様!危ない!」
「ガゥ!」
「!!」
樹海の木の上に隠れていた吸血タイガーが舌で彰悟へ奇襲を仕掛けたがギリギリでゴンゾーがそれに気付き彰悟をかばった。しかし、
「ゴンゾー!」
「ぐ!…大丈夫です!」
彰悟を庇った際に吸血タイガーの舌が腕に刺さったゴンゾーは吸血タイガーによって血を吸われたがすぐに自分の腕を切り吸血タイガーから距離を取った。
「大丈夫か!」
「大丈夫です!」
「ガァ!」
「ジジ!ツムギ!魔法でヤツを地面に降ろしてやれ!」
「ピーーーー!!!」
「チチ!」
スケルトンたちに囲われながらゴンゾーの無事を確認した彰悟に指示を受けたジジとツムギは火の玉と光の矢を樹上にいる吸血タイガーに向かって放った。
「ヴヴゥ!」
ジジとツムギの魔法を最初は樹上で躱していた吸血タイガーだったが次第に吸血タイガーが乗れる枝も無くなってきて攻撃がうっとうしくなったのかやっと地面に降りてきた。
「グルルルルル!」
「…。」
「…。」
いつでも飛び掛かれる体勢の吸血タイガーを警戒しながら魔法を撃てるようにかまえるジジとツムギ。状況は膠着しゴンゾーの腕が再生するのを待つしか無いかと思われていたが、
「…。」
ザシュ!
「キャン!」
斥候にでており彰悟たちが襲撃されていると気付くと隠れて吸血タイガーのスキをうかがっていたダガスケが後ろから短剣を吸血タイガーに向かって突き刺した。
「!いまだ!」
「ピーーーー!!!」
「チチ!」
いきなりの背後からの攻撃に驚く吸血タイガーにジジとツムギが一斉に魔法を浴びせた。
「!!!」
「みんな良くやった!…ゴンゾーもありがとな。」
「お役に立てて良かったです。」
魔法を浴びるように受けた吸血タイガーが倒れると彰悟は急いで自身を庇ったゴンゾーに駆け寄ると怪我の具合を確認した。
「結構再生はできてるな…ツムギ!回復魔法を頼む。」
「ピーーー!」
ツムギの回復魔法もありすぐに腕が再生したゴンゾーは腕の調子を確認するとツムギにお礼を言った。
「ありがとうツムギ。」
「ピーー!」
ゴンゾーの無事を確認した彰悟は吸血タイガーの解体をすると探索を再開させ、無事に十九階層への階段を見つけるとダンジョンの探索と配信を終えるのだった。
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