第86話たまにはゆっくりと
「ふぅ、やっぱダンジョンから出るとほんとの太陽が身体に染みるな~。」
フォレストレオパードを倒した彰悟はフォレストレオパードを解体すると、この日の配信を終わらせてからダンジョンを出て換金をしに事務所に向かった。
「すいません、素材の換金お願いします。」
「では素材をこちらにお出しください。」
「はい。」
「…以上でよろしいですね?ではこちらの番号でお待ちください。」
番号を渡された彰悟は受け付けにあるソファーに座って自分の番号を待っていると、
「なぁ、そういえば今年の【竜渡り】のメンバー、もう青森に向かってるらしいぞ。」
「もう?早くないか?いつもだったら9月からじゃないっけ?」
「それが今年はもう青森から見れる場所に竜が集まってきてるらしいぞ?それに青森の観測所からでも大きいって分かるサイズの竜も発見されたんだと。」
(へぇ~、そうなんだ。)
彰悟の後ろに座っている開拓者のパーティーが【竜渡り】について話し出した。
「てかなんでおまえそんなこと知ってるんだよ。」
「アニキが自衛隊だから俺のこと心配して情報が入ってくるんだよ。「おまえは【竜渡り】に徴収されるのか。」って。」
「へぇ。まぁ俺たちは二十七階層を探索してる程度だから大丈夫だろ。呼ばれるのだって五十階層以上の開拓者なんだから。」
「そうだよな。」
「【竜渡り】っていえばアメリカの方はどうなんだ?自衛隊ならそっちの情報も入ってくるだろ。」
「あぁ、アメリカの方は…。」
「52番の方~!」
「お、呼ばれたから行こうぜ。」
「だな。」
(気になるところで居なくなったな!)
こっそりと後ろの二人の話を聞いていた彰悟は良いところで二人が居なくなったのでモヤモヤしながらアメリカの事を調べようとするが、
「55番の方~!」
「あ。」
受け付けに呼ばれてしまい急いで受け付けに向かった。
「こちら今回の報酬の500万ですね。受け取りは現金と銀行への入金どちらになさいますか?」
「銀行に入金してください。」
「かしこまりました。」
報酬の確認を終えた彰悟はいつも通り報酬を銀行に入金をすると最寄りの駅から自宅に帰った。
「ただいま~。」
「お帰りなさい。」
家に着いた彰悟が着替えて宿題をしていると父親が帰ってきたので夕飯を食べるためにリビングに降りた。
「「「「いただきま~す。」」」」
夕飯を食べながらニュースを見ていると事務所でも話しに上がっていたアメリカの事がニュースになっていた。
『現在ピークとなっている神蟲の北アメリカへの【集団狩り】ですがアメリカ軍とメキシコ軍、カナダ軍による合同防衛によって現在の被害はかなり押さえられている様子です。』
「北アメリカも毎年大変だよな。神蟲の子供の虫モンスターに襲われるだろ?」
「そんなの日本の【竜渡り】と一緒でしよ?」
「数が違うだろ数が、向こうはだって兆だぞ?兆。弱いモンスターもいるみたいだから勝ててるけどあんな空を覆うようなモンスターに襲われてみろ一溜りもないぞ。」
夕飯を食べながらアメリカについて話していた彰悟たちは夕飯を食べ終わると順番にお風呂に入りこの日は寝る事にした。
「久しぶりだな!」
「部活は?」
「今日は午前練習だけだから良いんだよ。」
「そうなんだ。」
次の日、彰悟は午後から勇二と一緒に遊ぶ約束をしていたので合流した。
「で、どこ行くの?」
「そらショッピングよ。こっちは部活で満足に買い物も行けないんだぞ?」
「じゃあ行くか。」
「おう!」
買い物に行く事が決まった二人は池袋に行く事にして電車に乗り池袋に向かった。
「着いたな!」
「池袋か~、久しぶりだな。」
池袋についた彰悟と勇二は色々なお店に行き、ウィンドウショッピングを楽しんだ後カフェで休憩をしていた。
「ふ~、色々とまわったな!」
「結局なにも買わなかったけどね。」
カフェでのんびりしていた彰悟はあることを思い出して勇二にあるものを渡した。
「そういえばこれ、はい。」
「ん?なにこれ?」
「お土産、【幸運のネックレス】だよ。これは試合とかギャンブルの時はダメだけど普段なら一般人でも着けれるヤツだから。」
「へぇ~、ありがとうな!」
ダンジョンランドのお土産を渡した彰悟がカフェラテを飲んでいると、
「あれ…こんなところで奇遇だね。」
急に話しかけられ彰悟がそっちを向くと優也がコーヒーを持って立っていた。
「優也さん!お久しぶりです!あ、こっちは高校の友達です!」
「初めまして。」
「初めまして。」
「優也さん、地竜と戦って怪我をしたって聞きましたけど大丈夫ですか?」
「あぁ、かなり重傷だったけどね今は大丈夫だよ。」
「そうなんですか!無事で良かったです!」
「まぁそのお陰で今度【竜渡り】のために青森に行かなきゃ行けないかもしれないんだけどな。…それじゃあ友達と楽しんでな、じゃ!」
「ではまた!」
優也がいなくなると彰悟は勇二に優也の事を教えた。
「あの人は【日ノ本の集い】のクランに入ってる優也さん。初めてダンジョンに潜った時に知り合ったんだよ。」
「はぇ~、【日ノ本の集い】って日本一のクランだろ?そんなとこに入ってるなんて優秀な人なんじゃないか?」
「この間の目黒ダンジョンの地竜討伐で怪我をしたらしいんだけど回復したみたいで良かったよ。」
「ほ~ん。やっぱ凄い人なんだな~。」
カフェでの休憩を終えた彰悟と勇二は買い物を再開するのだった。
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「はぁはぁ、ダメだ。【アレ】を飲まないと…!」
彰悟と勇二と別れた優也はビルの合間に行くとふらふらしながら懐から薬を取り出すとコーヒーでそれを流し込んだ。
「……ッハァ!フー!フー!…フゥ~。よし、落ち着けたな。」
薬を飲んだ優也は次第に落ち着いていくと残りのコーヒーを飲み空になったカップをその辺に投げ捨てた。
「…そろそろ薬が少なくなってきたな、お婆さんからまた貰わなくちゃ。」
カップを捨てた優也は懐にある【虚抗薬】を見ながらそう呟くとビルの合間から出て人混みに混ざっていった。
「ん?電話か。」
人混みを歩いていると電話がなった優也が電話に出ると相手はクランリーダーの次郎だった。
「どうしました、リーダー?」
『今時間あるか?』
「はい、大丈夫ですよ。」
『そうか、実は今年の【竜渡り】は思ったより激しくなりそうでな、怪我が治ったばかりで悪いがやっぱり青森に向かってくれないか?』
「分かりました。」
『すまんな、…じゃあ頼んだぞ。』
「はい、では。」
電話を切った優也は無意識に懐にある薬を握りしめながら
「大丈夫だ、俺はこの薬さえあればまだ戦える…。」
と独り言を呟くのだった。
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神蟲の【集団狩り】
【討伐不可種】である神蟲が夏に北アメリカへ餌となる生き物や植物を子供たちにとりにいかせる現象。神蟲は年中さまざまな虫モンスターを生むため縄張りであるアマゾンでの餌がなくなるため北アメリカまで餌を取りに進攻をするため毎年夏になるとアメリカとメキシコ、カナダが合同で防衛戦を繰り広げる。昔はブラジルも参加していたがある時神蟲の子供の中でも上位個体である【ビショップ】と【ナイト】と呼ばれるヒト型の虫によってブラジルが壊滅してしまい現在はアメリカとメキシコが戦っている。
ちなみにアメリカとカナダはメキシコを虫たちからの防衛の為の盾にするため毎年かなりの額の援助をしているがジリ貧となっている。
南アメリカに関してはすべての国が崩壊し少ない人間が村単位で生きているだけとなっている。
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