第5話
湊さんと十八時半に待ち合わせをした。職場の近くまで来てくれると言ってくれたが、職場の人ともし会ったら嫌なので少し離れた場所で会う事にした。電車に乗って十五分程で着いた。
改札を出ると湊さんはもうそこに立っていた。マフラーに顔を埋め、ダウンジャケットのポケットに手を入れてぶるぶると震えていた。
「ごめん。お待たせ。寒かったでしょ?」と言うと、俺が初めて誘った時に言った言葉だ。と湊さんは笑って言った。
「そうだった。俺がライブハウスの出入り口で待っててね」
「うん。あの時は緊張したなぁ」
「え?あの時緊張してたの?」
そんな風には見えなかったので意外だった。
それから湊さんと並んで歩く。もう店は予約していた。初めて行く居酒屋だが、評価が良かったのでそこを予約したのだ。
「予約してくれてありがとうね」
「いや。全然。いつも予約して行くから」
「そうなんだ。それは誰と行くの?」と少し不安そうな声で聞く湊さんは、嫉妬してくれてるのかなぁと思うとかわいくて仕方なかった。
「友達。女友達だよ」
正直に答えた。安心させたかった。
湊さんは、そうなんだと言って俺の顔を覗いた。嘘を言っていないか確かめているかのように。
店に着き、店内に入ると客が結構入っていた。それでも店内が薄暗いせいか他の客はあまり気にならなかった。席に案内されて四人掛けの席に二人で座る。
「今日は四人掛けの席で広くていいね。なんか雰囲気もいいし」と湊さんは目を輝かせて店内を見回していた。
「ほんと雰囲気いいね。料理とお酒も美味しければなおよしだよ」
二人はまずはビールと言ってビールを注文した。料理は鶏料理がメインのお店だ。予約する時にチェックしていたが、から揚げが美味しそうだった。そのから揚げも頼み、焼き鳥も頼み、と色々頼んだ。
「今日スーツだね。普段着もいいけどスーツもかっこいいね」
さらっとそういう事を言えちゃう湊さんの言葉に、耳が熱くなるのを感じた。
「あ、照れてる?」と、茶化す湊さんに、うるさい。と口を尖らせた。
ビールが運ばれてきて、二人で乾杯をした。
ごくごくとビールを喉に流し込む。今日職場であった嫌な事も全て流し込むように。
「今日はせっかくの休みに来てくれてありがとう」
俺は改めてお礼を言った。
「全然大丈夫だよ。会いたかったし」
会いたかった。その言葉にきゅんとする。
「よかった。でも唯一の休みでしょ?気になってたんだけど、音楽の勉強とか作詞作曲とかはいつしてるの?」
「ああ。ボイストレーニングは月に二回くらいで今日も午前中行ってきたよ。それと作詞作曲はバイト終わりに部屋借りてやってる」
バイト終わりってそんな遅くまでやってるのか。やりたい事やってて充実してるとはいえ大変な事だなとしみじみ思った。
「そういえばなんのバイトしてるの?」
「バイトはカラオケボックスとコンビニ。掛け持ちしてるよ」
何でも話してくれる湊さんは、辛いとか苦しいとか一切言わなかった。俺はいつも愚痴ってばかりで何もしていない。こんな俺と湊さんが釣り合う訳がない。でも好きなのだ。湊さんの作る歌が。声が。そして湊さんが。全てが好きだ。そう言いたい。言えたらどんなにいいか。湊さんは俺の事気になったからと言ってくれた。それはつまり、付き合いたいという事だろうか。ただ単に気になっただけだろうか。こんなに素敵な人が俺なんかを好きになるはずがない。考えれば考える程ネガティブになっていく。こうやって目の前で一緒に時間を過ごせば過ごす程怖くなっていく。まだ早いと思っていた。けど、こうやって会えば、それを手に取りたいと思ってしまう。矛盾している。それは分かっているけれど、このもどかしい気持ちをどうにかしたい。したいけど、断られるのが怖い。俺は結局目の前にいる人が、手に届く距離にいないと感じ不安になっているだけなのかもしれない。
「でさー。って聞いてる?」
湊さんの声にハッとした。
「あ、うん。聞いてるよ」
湊さんは目を細め、腕組みをして、絶対聞いてなかった。と口を尖らせた。
「ちゃんと聞いてたよ。あ、でもちょっと酔っ払ったかな」と誤魔化した。
「確かに結構飲んだもんね。二次会行く?でも明日も仕事だもんね。帰る?」
「ううん。大丈夫。二次会行きたい。行こう」
湊さんとまだ一緒にいたい。できるならずっと一緒にいたい。
「二次会どこにしよっかー?そうだなぁ。あ、家来るっていうのはどう?」
「湊さんの家!?」
俺は胸が高鳴るのを感じた。
「嫌?」
目線を下げた湊さんに、「嫌じゃない。行きたい!湊さんの家」と早口で返した。
湊さんは目線を戻し、よかったと言った。
湊さんの住んでいる家は飲みに来た街から電車で三十分程、最寄り駅を降りて二十分程歩いた所にあった。
「狭いけど上がって」
アパートの一階の角部屋だ。部屋に入るといい香りがした。アロマディフューザーが置いてあった。電子ピアノにギターが置いてあり、カーテンは黒だった。ベッドと小さい机が置いてあってベッドカバーも黒に統一されていた。
「なんかアーティストの部屋って感じだね」
俺は素直にそう言った。
「そうかな?まあ電子ピアノとギターがあるからそうだよね」
俺は机の近くに座った。
「そういえば湊さんは明日バイト早くないの
?」
湊さんは途中コンビニで買ってきたお酒を冷蔵庫に入れていた。一人用の小さな冷蔵庫だ。
「うん。明日は午後からだから大丈夫。チューハイ飲む?」
冷蔵庫に入れながら一本手に持って俺の方に向けた。
「うん。飲む」
湊さんはチューハイ二本とつまみを持って俺の斜め右に座った。
テレビは置いてないので湊さんはスマホを取り出し、音楽をかけてくれた。なんの音楽だろう。聞いた事のない洋楽だった。
「朝陽は今彼氏いるの?」
お互い酔ってきていた。
「いないよ。湊さんは?」
「俺も」
缶チューハイを飲む湊さんの横顔はとても絵になる。顎のラインが綺麗だ。
「でも湊さんモテそうだから。すぐ出来るんじゃない?」
湊さんは俺の方を向き、「ほんとにそう思ってる?」と言った。
「え?うん。だって湊さん魅力的だから」
俺は下を向いた。何故か恥ずかしくて、湊さんを見る事が出来なかった。
「そうかな。まあそう言ってくれるのは嬉しいけど。もう一年位彼氏いないよ。好きになる人がいなかった。でも今は違う」
「違う?」
「そう。朝陽と出会った」
「え?」
朝陽と出会ったって。俺の事少しは興味持ってくれているのだろうか。俺だって湊さんと出会った。そしてあわよくば付き合いたいとも思っていた。今俺は試されているのだろうか。
「俺、朝陽が好きだよ。初めてライブで朝陽を見た時、目が合ったその日から。ずっと想ってた。この子いいなぁって。でも誰の歌を聴きに来ているか分からなくて。声かけるタイミングが分からなくて。そしたら居酒屋で俺のCDを持ってる朝陽を見つけて声かけた。あの日結構緊張してたんだよ。そして今も緊張してる」
湊さんは俺の手をとり、湊さんの心臓がある辺りに俺の手をあてた。
「どう?心臓バクバクいってない?」
服から伝わる心臓の鼓動。ドクンドクンという音が手に伝わる。
「ほんとだ。ドクンドクンって鳴ってる」
湊さんが今、手の届く所にいる。今取らないと一生後悔する。俺は湊さんに顔を近づけてキスをした。柔らかな唇はお酒の香りと共に溶けていく。湊さんは舌を俺の口に入れてきた。湊さんの舌を吸い、湊さんの唾液を飲み込む。それから舌を絡める。唇を離すと、とろんとした目をする湊さんが、朝陽、と俺の名前を呼んだ。
「好きだ。湊さん」
俺は手を湊さんの背中に回しぎゅーっと抱きしめた。湊さんも手を俺の背中に回してきた。湊さんの温もりを感じながら二人は融合するのではないかという程の力で抱き合った。
「まだ会って間もないからこんな事言うと軽い男だと思われるかもしれないけど、俺も好きだよ」
湊さんの優しい言葉を聞き、俺はこの人を自分のものにしたい。そう思った。
抱きしめていた手を湊さんの洋服の中に入れる。手だけで湊さんの乳首を探す。
「あっ」
乳首に指が触れた。
それからまたキスをして乳首を指でいじる。「気持ちいい?」
キスをしながらそう囁く。
「あっ。うん。気持ちいい」
俺の下半身は速い速度で血が巡り、ズボンを押しのけて出たがっていた。
湊さんの上着を脱がせ、乳首に吸い付く。「あ、やばい。気持ちいい」
湊さんはされるがままだった。
乳首を吸いながら指で湊さんのお腹をさーっと撫でる。そして下半身へと移動する。盛り上がった下半身を洋服の上から撫でる。湊さんは腰をよじりながら、喘いでいた。ズボンを脱がしパンツ姿になる湊さん。
「恥ずかしいから電気消そ?」という湊さんに、「嫌だ。湊さんの全てが見たい」と返した。湊さんの体は白くて引き締まっていて綺麗だった。パンツの上から湊さんの下半身をしごく。大きくなったその先から粘っこい汁がでていてパンツを濡らしていく。
「湊さん。いやらしい汁がパンツを濡らしてるよ」
「うう」という湊さんは目を手で覆った。
パンツを脱がせ、湊さんの大きくなったペニスが顔を表す。とても綺麗だった。こんなに綺麗な湊さんのものは丁寧に扱わなければならない。そう思い優しく口に含む。
「あっ」
顔を上下させじゅぽじゅぽと音を立てる。
口でしごきながら手は乳首をいじる。
体をよじらせながら湊さんの呼吸は早くなる。
「やばい。我慢できない」
湊さんは俺の頭を手で押さえ、手で頭を上下させた。
「俺も舐めたい」
湊さんはとろんとした声でそういうと俺を押し倒した。
服を脱がされ、乳首を舐められた俺は電気が走ったように身体をびくんとさせた。
「気持ちいい」
俺はズボンとパンツを脱がされ、湊さんは俺の大きくなったものを舐めた。根本から上に舐めて先端を舌でちょんと舐める。
「朝陽の汁美味しいよ」
それから湊さんは俺のものを口に含み上下させた。湊さんの口の中は温かかった。気持ちよくて声が漏れた。
「あっ」
じゅぽじゅぽという音が部屋中を占領する。
それからまたキスをした。
「入れる?それとも入れられたい?」
俺は湊さんの中に入りたい。そう思った。
「入れたい」
分かった。そう言うと湊さんはローションを持ってきた。
ローションを渡され、俺はその粘っこい液体を指につける。ベッドに移動した湊さんは仰向けに寝て、足を広げた。湊さんの中に人差し指をゆっくり入れる。
「あっ。やばい」
「痛くない?」
「うん。大丈夫」
湊さんは自分のペニスをしごいていた。
ゆっくりと指を動かし、そして中指も一緒にいれる。湊さんの中は温かくて俺の下半身は今にもこの中に入りたいとうずいていた。ゆっくりとほぐし、そして自分の大きくなったものにローションをつける。
「入れるよ」
「うん」
ゆっくりと腰を近づけ穴に自分の大きくなったものをあてる。そのままぐっと入れる。
「あっ、うう」
湊さんと一つになれた。こんな幸せな事があるだろうか。
俺はゆっくりと入れて腰を動かす。
「あ、あ、やばい気持ちいい」
湊さんは自分のものをしごきながら「気持ちいい」と弱弱しい声で言った。
腰を動かして、俺は気持ちよさを通りこし、絶頂を迎えようとしていた。
「やばい。イっちゃいそうだよ。湊さん」
「うん。俺もイキそう」
俺はその言葉を聞いてなおも興奮した。腰を動かすのを早めてぐちゅぐちゅという音が鳴る。突いた時に湊さんは「あっ、あっ」と声を上げる。
「あ、イク」
湊さんの大きくなったペニスの先端から白い液体が出た。ビクンビクンとお尻の穴が閉まる。そのまま俺は腰を動かし続けて「あ、やばい。俺もイク」そう言って腰を離して湊さんのお腹の上に自分の液体を出した。
二人の液体が混ざり合う。
「気持ちよかったよ」
二人はキスをした。
呼吸を整え、「シャワー浴びようか」と湊さんは言った。
二人でシャワーを浴びながら湊さんの身体を触る。
「やばい。入れられた後だから身体が敏感になってて触られてるだけでも気持ちいい」と身体をよじった
「かわいいね」
俺は素直にそう言った。
「年上にかわいいだなんて何事だ」と湊さんははにかみながら言った。
シャワーからでて、湊さんから部屋着を借りた。俺より少しだけ小さい湊さんの服。湊さんが着ていた部屋着。身体で湊さんを感じられた。
ベッドで横になった二人はまたキスをした。そしてお互いの下半身を触り合った。また反応する下半身に、元気だねと湊さんに言われた。
俺は湊さんの胸に顔を埋め、そのまま夢の中へと落ちていった。
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