第5話

振り返ろうとしたら、痛いくらいに背中を叩かれる。


その背中を摩りながら顔を向けると――。



「痛いよ〜、優奈ゆうな



小学校から仲のいい、親友のさかい優奈だった。



ふんわりとウェーブのかかったセミロングの髪が特徴的な女の子だ。


幼い頃からダンスをしていたこともあって、スタイルも抜群。



それに、活発で明るい性格だから優奈は常に目立つ存在で、男女問わず人気者だ。



優奈といっしょに壱葉中学の校門をくぐり、校舎の壁に貼り出されたクラス表を観に行く。



「キャー♪かりん、いっしょのクラスだよ!」



テンション高めに叫んで、わたしに抱きつく優奈。



優奈とは、小学1年生から6年生までクラス分けで離れたことがなかった。


それが、今回も奇跡的に同じクラスになった。

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