第13話

ゆきちゃんは昨日寝てなかったみたいだ。今はスヤスヤ眠っている。

午前中の仕事を終え、休み時間に保健室をのぞきに来たところだ。


「ミホ…、ちゃん?」


ゆきちゃんは寝言を言ったようだ。


寝言に話しかけてはいけないみたいだが、私はそっと返した。


「ゆきちゃん、ゴメンね」


ゆきちゃんは姿勢を変えた。


私は保健室を出た。





⭐︎


私は悲しい夢を見ていた。

みほちゃんが歩いているのに、走っている私はついて行けなくて。

みほちゃんはふと足を止めた。そこには長身の男性がいて。


みほちゃんが好きなのは、私だけじゃないの?ぎゅーってしたいっていうのはそういう意味じゃないの?


現実と非現実が曖昧になる。


だって、十数年前のよくないアニメに引き込まれた私を引きずり出してくれるって言ってくれるじゃない。今でも…。って私が言ったら、私が忘れさせてくれるって言ってくれたじゃない。

忘れさせてくれるのなら私、何でもするよ。だから嫌いにならないで。


「みほちゃん…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

手を繋ぐだけで5年間過ごしたら、関係は破綻しました milly@酒 @millymilly

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ