ヒロイン二人を誘拐して即殺されるモブに転生したと気がついたのはヒロイン二人を誘拐してる最中でした
シャルねる
即殺モブじゃねぇかよ
それは突然のことだった。
本当に突然、俺はここが前世に読んでいたラノベの世界だということに気がついた。
しかも俺はヒロイン二人を誘拐して、主人公に即殺されるモブになってしまっている、という最悪なことと同時に。
やばい。やばいやばいやばいやばいやばい。
もう少し、ほんの少しでも早く俺が即殺モブに転生してしまっているんだ、と気がつけていたのなら、こんな焦ることは無かったと思う。
ただ、現実はそんなに甘くは無く、どう考えても、この状況はやばい。
俺は今、馬車の御者をしている。
そして、後ろを振り向くと、縄で手足を縛られ、口も塞がれている赤い髪でツインテールの少女と、長い白い髪の少女がいた。
そう、この世界のヒロイン二人だ。
え、マジでやばい。どうしよう。このままじゃ、主人公が来て、俺、殺されちゃうよ。
……もういっその事、このヒロイン達をここに置いていって、主人公が来る前に逃げるか? ……いや、だめだ。
だって、このヒロイン達、公爵家の娘なんだもん。
もし、俺がここで逃げたって、公爵家から逃げられるとは到底思えない。
……いや、ここで逃げたところで、本当に俺が誘拐したってバレるのか?
確かに俺は即殺モブだ。でも、それは主人公の強さがおかしいだけで、モブの中では、俺は強い方だったはずだ。
そもそも、ある程度の実力がなければ、誰にもバレずに公爵家の娘二人を誘拐なんて出来るわけがないんだから。
この即殺モブは本当に運が悪かっただけなんだ。
たまたま、本当にたまたま、主人公の散歩道を通ってしまった。そんな即殺モブに転生した今となってはふざけた理由で嘘が分かるという力を持っている主人公に公爵家の娘を誘拐したことがバレて、殺されたんだ。
ネットでは、作品一……ではないけど、一二を争う程の不運の持ち主だって言われてたくらいだ。
主人公の散歩道だって、魔物や魔獣がゴロゴロといる場所で、本来ならこんな所を散歩するやつなんて絶対に居ないはずだったんだから、本当に運が悪い。
ここまで考えれば、だったら主人公の散歩道を通らなければいいじゃないか、と思うやつも居るだろうが、それは違う。
だって、俺は公爵家の娘を誘拐してるんだぞ? それも二人だ。
もし、あの散歩道以外に行けば、普通に公爵家の手の者に見つかって殺される。
この即殺モブはどっちかって言うと、暗殺者タイプなんだよ。魔獣や魔物なら、暗殺者のスキルでどうとでもなる。ただ、一定以上の実力がある人間には、普通に負ける。だって、俺のスキルって大体が初見殺しで、その初見殺しが通用しない相手には本当に役に立たないんだよ。
それこそ、公爵家が抱えてるSランクの冒険者とかな。
……うん。詰んでね?
い、いや、落ち着け。……少なくとも俺が誘拐犯だってことは、まだ公爵家にも、この誘拐したヒロイン達にもバレてないはずなんだ。
……俺が、助けたことに出来ないか?
……完全なマッチポンプだ。それは分かる。ただ、別に俺は公爵家に恩を売ろうとしている訳では無い。
こいつらは公爵家の娘だ。公爵家に取り入りたいという下心が俺にあれば、怪しまれるかもしれない。でも、そんな下心は俺には無い。
俺はただ、死にたくないだけなんだから、当たり前だ。
よし、そうと決まれば、俺がこのヒロイン達を助けたことにして、公爵領まで送って行こう。
そして、送った後は直ぐに逃げる!
よし、完璧だ。
……まぁ、それが完璧になるのかはまだ眠っているヒロイン達を上手く騙せるかに掛かってるんだが。
そう思った俺は、覚悟を決めて、ヒロイン達の縄を解いた。
すると、タイミングよく、ヒロイン達は目を覚ました。……と言うか、俺が目を覚まさせた。
─────────────────────
あとがき。
よろしければこちらの作品も是非お読みください。
【吸血鬼転生〜俺だけ人間種を殺せば強くなれるらしいから生き残るために人間種を殲滅しようと思います〜】
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