第4話:夢の二時間。
僕が酔っ払って間違ってレンタル彼女さんのサイトだと思ってポチッたら
天使代行サービス・レンタルヘブンってところからアリエル・コッタって天使
が訪ねて来た。
酒に酔っててなんにも覚えてないくせに僕はちゃっかり自分のタイプの子を
選んでるのはさすがだよ。
覚えてないからってキャンセルはできないし、せっかく来たアリエルを
追い返すなんて可哀想だし、もったいないからレンタルすることにした。
二時間20,000円で・・・。
で、貴重な二時間を有効に使わないと・・・。
だから最初はどうしても彼女のことが知りたいよね。
「アリエルは?・・・天界で普段なにしてるの?学生さん?それとも社会人?って
言うか何歳?」
「ごめんね、プライベートなことはちょっと・・・」
「あ〜そうなんだ・・・だよね?・・・ってか歳くらいいいでしょ、教えてくれ
たって」
「17歳です」
「セブンティーンか・・・英字にすると一番響きのいい年頃だよね」
「じゃ〜他になにか趣味とか?」
「ごめんね、そのへんプライベートなことはちょっと・・・」
「少しくらい教えてくれたっていいじゃない、これじゃなにも分かんないよ」
「レンタルとは言え、僕の彼女でしょうが?」
「私のことより福ちゃんは?社会人?どこかにお勤めとか?」
「え〜と僕は・・・都内の◯△大学に通ってる男子で彼女いない歴5年目突入」
「持病なし・・・いたって健康・・・エッチの経験・・・」
「お〜っとなに言ってんだ、僕」
「大学生さんなの?」
「そう・・・親のスネがじりながらね」
「放蕩息子なんだ、福ちゃん」
「放蕩息子って・・・そんなどうでもいいことよく知ってるね」
「僕なんてつまんないプロフィールだよ」
「まあ酒におぼれた勢いでレンタル彼女さんのサイトを覗いてたみたいだしね」
「僕よっぽど彼女が欲しかったんだろうな・・・なんだかな〜」
「あの、私、趣味じゃないですけど、食べるの大好きです」
「え?そうなんだ・・・じゃ〜今度、美味しいのもでも食べに行ってみる?」
「焼肉とか・・・女の子って焼肉好きだよね〜」
「はい大好き」
結局、そのあとはテレビなんか見て、たら〜っとした時間だけが通り過ぎていった。
とりとめのない話をして二時間なんてほんとあっという間。
映画一本観たらおしまいだよ。
「お時間きましたから、そろそろ私帰りますね」
「もう?・・・あ、あの今日は楽しかったです」
「また来てもらってもいいですか?」
「え?また私を呼ぶんですか・・・」
「イヤなの?」
「イヤって言うか私、これから忙しくなるかもしれないから・・・来れない時
あるかもです」
「でも私、最初のお客さんが福ちゃんでよかったです」
「最初の客?・・・僕が?」
つづく。
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