第14話
「ごめん、嫌だった?」
と私がきくと、彼は
「そんなことはない」
とすぐに否定したものの、何か思うところがある様子。
私が「我慢しないではっきり言って」と彼を急き立てると、言いにくそうに、料理ができないコンプレックスを笑われるんじゃないかと気にしている、と口にした。
そこで、私は彼にその日のおつまみを作ってくれるよう、奥村くんに頼むことにした。
彼は気にするほどもう下手ではないし、1ケ月、私の料理をまねる中で確実に彼の腕が上がったという自信があった。
正直、もうこれなら横でレクチャーしなくても、レシピ本があれば十分料理ができるというところまできていたから。
彼は戸惑っていたけれど、レシピ本を買って、卒業祝いと言って半ば押し付けるように渡し、
当日楽しみにしているから! と部屋を後にした。
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