自由気ままな冒険者

@9197

じいちゃんとの修行の終わり。

物心がついた時には知らない人の記憶があった。人との付き合いに疲れて自分をすり減らしてた男の人の記憶だ。


最初は意味がわからなく、じいちゃんにも支離滅裂な話を聞かせたと思っている。じいちゃんは何のこともなく「もしかしたら以前生きていた時の記憶かもしれないのう」と説明してくれた。


当時、子供だった自分には全くもってわからない内容だったが、20歳にもなるとなんとなく話が見えるようになってきた。


ごく稀に生前に生きた時の記憶が脳裏に浮かんだりする現象が起きるという。それを上手く活用する人も居れば、教訓にして生き方の参考にしたりする人もいるらしい。


俺はどちらかと言えば教訓にしようと思っている。仲良くなれる人なら苦労を惜しまないこと、無理に人に関わり自分を疲弊させないこと、関わってしまったとしてもすぐに関係を断つこと、関係を断つ為に実力行使できるだけの実力を得るための修行に励むこと。


これらを念頭にじいちゃんに戦う為の修行をつけてもらう事から始めた。父も母も居らず、じいちゃんしか居ない理由は俺にはわからない。でも、じいちゃんは優しいし、俺が戦えるようになるまでひたすら叩きのめし、修行以外ではずっと俺に必要な物や知識を教えてくれた。


俺がこの先困ることが少なくなるように、ひたすら鍛えてくれた。だがじいちゃんも俺が20になるころには身体を壊して寝たきりになってしまった。


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