第11話
自分の“力”故に影響を受けない天パの人は、軽快に包丁の人に近づくと包丁を握りしめている手を踏みつけた。
そして
「アンタ、あの女の何が欲しいんだよ。こんなモンまで持ち出して」
包丁の人を見下ろしながら、あたしが聞きたかったことを聞いてくれました。
包丁の人は息をするのもやっと、という感じですがギラギラとした目の輝きは失われず、こっちを睨んできます。
もしかしたら、知った人かもとしっかり見るもやっぱり見たことのない人で。
一体、あたしの何が欲しいのでしょうか……。
「…ヨコセ。……ヨ…コセ、ココロを…」
ーーえ?
今……
「心……?」
ツッコミの人がボソッと呟くのが聞こえました。
聞き間違えではないようです。
確かにあたしも、“心”と聞こえました。
あたしの“心”ーー?
「なぁんだ、お前!!アイツに惚れたのかぁっ!!」
「えっ!?」
「……ハァ?」
惚れ……
「ええーっ!?」
そそそそそそうなのですか!?
「だからってよー、包丁で脅すのはダメだわ。逆効果よ」
物凄いドヤ顔で話す天パの人。
しかし
「……チガ…ウ」
真顔で否定されました。
真顔で。
いや、わかってましたよ!?
違うことくらいわかってましたよ!?
なので、その残念っみたいな顔でこっちを見るのを止めてもらっていいですかね!?
ちょっとムカついて、天パの人とツッコミの人を睨んでしまう。
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