第4話

「全く…こんな所で何をしているのですか、アナタは」



「……喜田川さん」




いつの間にか夜になっていて、公園のブランコに座っていたシンちゃんの前に、一人の女性が立っていました。



口調は怒っているけれど、表情は無表情の女性は喜田川春香さん。



シンちゃんと血の繋がりはないが、一緒に暮らし彼女を育てている。



暗くなっても戻ってこないシンちゃんを心配して捜しに来たのだ。




「どうしたのですか?」




横のブランコに喜田川さんが座って聞いてくる。




「あのっ、ごめんなさいっ」



「無事だったから良いです。それよりも何かあったのですか?」



「……」




シンちゃんは話さない。


喜田川さんは動かない。



時間だけが過ぎる。




ぐぅうううううう〜。



シンちゃんのお腹が鳴った。




「フゥ……。帰りましょうか」



「喜田川さん」



「はい?」




シンちゃんが意を決して口を開く。




「どうしてあたしの星はこんなに汚くて変な形なの?」



「え?」



「みんな、綺麗でちゃんとした星の形をしているのに……」



「私は、アナタの星を汚いとも変な形だとも思ったことはありませんよ」



「えっ!?」



「私も含めそうですが、色も形もみんなありふれたものばかりです。そんな中でアナタのその色も形も私はアナタ以外他に見たことがありません」



「……」




やっぱり自分は変なんだ、と思うシンちゃん。



けれど。




「凄いじゃないですか。アナタだけしか持たない色と形なんて。むしろ私は羨ましいです」



「羨ましい……?」



「はい。人と同じなんてつまらないですよ」



「つまらない……?」




ビックリするシンちゃん。


そんな風に思ったことは一度もなかったのだ。


ずっと皆と一緒が良いと……。




「星が人とは違うということは、きっとアナタにしか出来ないことがあると私は思っています」



「あたしにしか……?」



「そうです。私は好きですよ、アナタの色も形も」



「好き?」



「はい」



「そっか」




そっか、と呟きシンちゃんはニッコリと笑い、喜田川さんも微笑んだ。















自分の星を一人でも好いてくれている人がいる。


それがシンちゃんに自信を与え、その日から彼女は周りの言葉も周りの星のことも気にしなくなり、自分だけが出来ることを探し始めたのでした。

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