第2話 魔導回路の痕跡

 図書室に足を踏み入れた瞬間、ナンデの魔力センサーが反応した。展示ケースに並べられた古書群から、微弱ながら確かな魔力の残滓が感じられる。


『機巧技術神秘考』の表紙に刻まれた幾何学模様は、高度な魔導回路の設計図そのものだった。ナンデは制服のスカートに忍ばせた『エーテル・コンストラクト』を僅かに動かし、その反応を確かめた。


 突如、展示ケースのガラスに複雑な魔導回路が浮かび上がり、眩い光を放つ。本の周囲に直径2メートルの魔法陣が展開し、等身大のゴーレムが出現した。


「対象認識:魔導聖騎士・ナンデ・モアリ。......排除プロトコル、実行開始」


 ゴーレムの装甲には三層の防御機構が組み込まれ、各層には独立したエネルギー循環システムが存在していた。


 ナンデは素早く詠唱を開始。学校の電気系統を魔力伝導体として利用する「現代工学融合魔導システム」を展開する。異世界で彼女が確立した技術の応用だった。


 青い光が配管を伝い、ゴーレムの動きを完全に停止させた。

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