第3話 誇りを胸に
「ただいま帰りました」
夕暮れ前の我が家。台所からは味噌汁の香りが漂う。
「おかえり......って!?」
母が台所から顔を出し、そして凍りついた。
「申し訳ありません、突然の来訪で」
ナンデは背筋を伸ばし、魔導聖騎士としての威厳を保ちながら頭を下げた。
「私は魔導聖騎士、ナンデ・モアリ。そして......かつての、佐藤陽一です」
父が新聞から顔を上げる。母の手から、お玉が落ちる。
「今から4時間後、陽一は学校で魔法陣に呑み込まれ、異世界へと召喚されます。そして私と......融合することになる」
ナンデは『エーテル・コンストラクト』を取り出し、小さな魔法陣を展開して見せた。
「高位魔力発動のため陽一が必要でした。異世界で20年。私たちは邪神との戦いを続け、そしてついに勝利を収めました。いまやナンデと陽一は同一なのです」
そして、父の方を見て言った。
「僕、20年も頑張ったんだよ。父さん」
そのナンデを見て母は呼びかけた。
「だったら……おかえりなさい……陽一」
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