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2025年1月10日 17:53
個人駅にはかなりの異論があります。少し長文になります。色々な観点がありますが、端的に言えば、原子力の方がコスト的に完全に優れているという点です。「電気料金の値上げは死活問題です。」その通り、であればこそ、原発を再稼働すべきです。今回の話では、細かい利益を誰がどこで得るか、という話をされています。これは原発に限った話ではありません。火力なら燃料を輸入する際に多大なコストがかかり、日本で電力に変換される間に、どれだけの人間が、どれだけの利益を得ているでしょうか。コスト面で、多くの人がデータを出して議論しています。結果、どのデータを見ても原発の方がコスト面で優れていると言います。「原発を使うな」という議論で、「コスト的な話」をする方はいません。原発事故当初は、コストでも火力が上という誤った言説がありましたが、それは間違いであると既に判明しており、今そのような言説をする方をほぼ見ません。データの一例を挙げましょう。(外部リンク)https://eco.jcci.or.jp/tag/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E8%B2%BB%E7%94%A8こちらは日商会のページで、原発事故直後の2012年の記事になります。「原発停止に伴う燃料コスト」を参照します。原発の発電コストはキロワットあたり1円。石炭は4円。ガスと石油は10円を超えます。https://wedge.ismedia.jp/articles/-/29566?page=2こちらは2023年、ある大学教授による記事です。こちらでも原発の発電コストはキロワットあたり1円から2円、処理費用も1円以下と算出されています。近年の円安と、燃料価格の高騰を含め、キロワットあたり20円も(原子力発電を)上回るコストがかかると試算しています。ここまでの差がなくとも、原発が最も低コストであり、「電気料金の値上げは死活問題です。」というのであれば、原発を積極的に利用すべきであるという結論になります。運用の間に、多少のコスト増があったとしても誤差の範囲です。また、同じコストであったと仮定しても、燃料費を国外に支払い続ける、国富を海外に流出させ続ける火力発電は抑えるべきだと考えます(原発の場合はウランの購入額のみで長期運用可能であり、ガス石油より安価で在庫も一定量程度あります)。火力発電で、地下資源を掘って運んで売るだけで「ボロ儲け」する、諸外国に関しても考慮しましょう。誰が儲かるか、そんな議論はあまり意味がないと思います。
作者からの返信
武藤勇城さままず、拙作に対し、これほどの熱意のこもったコメントを寄せてくださって、ありがとうございます。本当に嬉しいです。書いて良かったと、心から思います。しかし、武藤勇城さまのご指摘には、根本的に大きな見落としがあります。まず、本作で私は、「原発再稼働の是非」については、一切言及していません。私は、タイトルにも「儲け」としているように、「原発利権の法的、モラル的な問題点からくる不当な電気料金値上げ」を論じたまでです。ですので、コメントの冒頭から「原発は稼働したほうがいい」という意見が提示されるのは、完全に論点がずれています。少なくともこの場においては、原発再稼働の話を急に持ち出す、そんなのはあまり意味がないと思います。原発再稼働の話をしたいがために、知らず知らずのうちに、自らの意見を押し付ける形に、なってはいませんでしょうか。とはいえ、私はこのカクヨムという場所で、レスバトルがしたいわけではなく、発展的な対話がしたいと思っているので、武藤勇城さまのおっしゃる、「原発のコスト面での優越性」について、私の知っていることを、お伝えしたいと思います。原発とセットで作られる、「揚水発電所」をご存知でしょうか。原発に必ず付随するこのコストを、武藤勇城さまは加味されていないように見受けました。揚水発電所は、原発とセットであることから、そのコストは原発に転嫁するべきであるのに、なぜか水力発電のコストとして計上され、これを隠すのが、原発推進派の常套手段です。揚水発電所は、原発の、「核分裂」という簡単には止められない物理学的現象をエネルギー抽出に用いる特性から、電気の消費が極度に少ない夜間にも、生まれた電気の受け皿として機能する発電システムです(発電所で生み出すような大量の電気というのは貯めるのが難しい、そして生まれた電気は使わなければただただ放電されるだけであるが故に発電された電気というのは電気を使うタイミングに合わせて即時送り出すものであるという事実も、合わせてご留意くださいませ)。仕組みを簡潔に申し上げますと、これは原発が生み出すどうしても送りきれない、用途を見出せない余剰電気を利用して、夜間に水を汲み上げておき、再び電力需要ピーク時になったら汲み上げた水の位置エネルギーにより、つまり落としてタービンを回すことによってもう一度電気に変えるという、周りくどい水力発電方法の一種です。役割としては、蓄電池のような働きをしている、と言えますね。しかし一見有能そうに見えるこの揚水発電というのは、一サイクルあたり、せっかく生み出した30%程度のエネルギーを損失する、極めて非効率な発電方法ですので、わざわざ原発とはまた別の建設費用やら営業コストやら設備維持コストやら人件費やらを使ってまで行うことではなく、事実上の、電気料金を上げるための口実にばかりなっています。再三になりますが、揚水発電は、水力発電として計上されるので、本来含むべき本質的原発のコストに含まれておらず、原発のコストが形式上、低く見えるカラクリがあります。このカラクリを絶対的に排除したと言えるデータに基づいて、それでも原発のコストは優越性を持っているのだ、と武藤勇城さまがおっしゃるのならば、だったら原発再稼働は名案ですね、と私は賛同できます。以上、どうでしょうか。最後に余計なことを、独り言がてら、添えさせていただきます(これは本作で伝えたい内容とは切り離してお考えくださいませ。本来私は火力発電の話を持ち出すつもりはありませんので)。火力発電で、地下資源を掘って運んで売るだけで「ボロ儲け」する、諸外国は、資本主義的にはおかしなことはしていません。しかし、極悪な仕組みを作って国民から不当に搾取しながら「ボロ儲け」する企業と役人に関しても考慮しましょう。加賀倉 創作
2025年1月10日 15:01
導入の引き込みが上手い!
Karuraさまお褒めの言葉を、ありがとうございます。やや、挑発的ともとれる導入だったかもしれませんが、そう言っていただけて、間違いではなかったのかな、と自信が持てます。
2025年1月10日 14:46
企業の利益のために地球環境を滅ぼしかねないというのは、何という本末転倒でしょうね。私も無関係ではないので、真摯に向き合う必要があります。
ヤマシタ アキヒロさんコメントを、ありがとうございます。誰かの、特定の集団の私腹を肥やすのに、地球や無実の民が被害を受ける。なんともおかしな話ですよね。
個人駅にはかなりの異論があります。少し長文になります。
色々な観点がありますが、端的に言えば、原子力の方がコスト的に完全に優れているという点です。「電気料金の値上げは死活問題です。」その通り、であればこそ、原発を再稼働すべきです。今回の話では、細かい利益を誰がどこで得るか、という話をされています。これは原発に限った話ではありません。火力なら燃料を輸入する際に多大なコストがかかり、日本で電力に変換される間に、どれだけの人間が、どれだけの利益を得ているでしょうか。
コスト面で、多くの人がデータを出して議論しています。結果、どのデータを見ても原発の方がコスト面で優れていると言います。「原発を使うな」という議論で、「コスト的な話」をする方はいません。原発事故当初は、コストでも火力が上という誤った言説がありましたが、それは間違いであると既に判明しており、今そのような言説をする方をほぼ見ません。データの一例を挙げましょう。(外部リンク)
https://eco.jcci.or.jp/tag/%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E8%B2%BB%E7%94%A8
こちらは日商会のページで、原発事故直後の2012年の記事になります。「原発停止に伴う燃料コスト」を参照します。原発の発電コストはキロワットあたり1円。石炭は4円。ガスと石油は10円を超えます。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/29566?page=2
こちらは2023年、ある大学教授による記事です。こちらでも原発の発電コストはキロワットあたり1円から2円、処理費用も1円以下と算出されています。近年の円安と、燃料価格の高騰を含め、キロワットあたり20円も(原子力発電を)上回るコストがかかると試算しています。
ここまでの差がなくとも、原発が最も低コストであり、「電気料金の値上げは死活問題です。」というのであれば、原発を積極的に利用すべきであるという結論になります。運用の間に、多少のコスト増があったとしても誤差の範囲です。また、同じコストであったと仮定しても、燃料費を国外に支払い続ける、国富を海外に流出させ続ける火力発電は抑えるべきだと考えます(原発の場合はウランの購入額のみで長期運用可能であり、ガス石油より安価で在庫も一定量程度あります)。火力発電で、地下資源を掘って運んで売るだけで「ボロ儲け」する、諸外国に関しても考慮しましょう。誰が儲かるか、そんな議論はあまり意味がないと思います。
作者からの返信
武藤勇城さま
まず、拙作に対し、これほどの熱意のこもったコメントを寄せてくださって、ありがとうございます。本当に嬉しいです。書いて良かったと、心から思います。
しかし、武藤勇城さまのご指摘には、根本的に大きな見落としがあります。
まず、本作で私は、「原発再稼働の是非」については、一切言及していません。私は、タイトルにも「儲け」としているように、「原発利権の法的、モラル的な問題点からくる不当な電気料金値上げ」を論じたまでです。
ですので、コメントの冒頭から「原発は稼働したほうがいい」という意見が提示されるのは、完全に論点がずれています。
少なくともこの場においては、原発再稼働の話を急に持ち出す、そんなのはあまり意味がないと思います。
原発再稼働の話をしたいがために、知らず知らずのうちに、自らの意見を押し付ける形に、なってはいませんでしょうか。
とはいえ、私はこのカクヨムという場所で、レスバトルがしたいわけではなく、発展的な対話がしたいと思っているので、武藤勇城さまのおっしゃる、「原発のコスト面での優越性」について、私の知っていることを、お伝えしたいと思います。
原発とセットで作られる、「揚水発電所」をご存知でしょうか。
原発に必ず付随するこのコストを、武藤勇城さまは加味されていないように見受けました。揚水発電所は、原発とセットであることから、そのコストは原発に転嫁するべきであるのに、なぜか水力発電のコストとして計上され、これを隠すのが、原発推進派の常套手段です。
揚水発電所は、原発の、「核分裂」という簡単には止められない物理学的現象をエネルギー抽出に用いる特性から、電気の消費が極度に少ない夜間にも、生まれた電気の受け皿として機能する発電システムです(発電所で生み出すような大量の電気というのは貯めるのが難しい、そして生まれた電気は使わなければただただ放電されるだけであるが故に発電された電気というのは電気を使うタイミングに合わせて即時送り出すものであるという事実も、合わせてご留意くださいませ)。
仕組みを簡潔に申し上げますと、これは原発が生み出すどうしても送りきれない、用途を見出せない余剰電気を利用して、夜間に水を汲み上げておき、再び電力需要ピーク時になったら汲み上げた水の位置エネルギーにより、つまり落としてタービンを回すことによってもう一度電気に変えるという、周りくどい水力発電方法の一種です。役割としては、蓄電池のような働きをしている、と言えますね。
しかし一見有能そうに見えるこの揚水発電というのは、一サイクルあたり、せっかく生み出した30%程度のエネルギーを損失する、極めて非効率な発電方法ですので、わざわざ原発とはまた別の建設費用やら営業コストやら設備維持コストやら人件費やらを使ってまで行うことではなく、事実上の、電気料金を上げるための口実にばかりなっています。
再三になりますが、揚水発電は、水力発電として計上されるので、本来含むべき本質的原発のコストに含まれておらず、原発のコストが形式上、低く見えるカラクリがあります。
このカラクリを絶対的に排除したと言えるデータに基づいて、それでも原発のコストは優越性を持っているのだ、と武藤勇城さまがおっしゃるのならば、だったら原発再稼働は名案ですね、と私は賛同できます。
以上、どうでしょうか。
最後に余計なことを、独り言がてら、添えさせていただきます(これは本作で伝えたい内容とは切り離してお考えくださいませ。本来私は火力発電の話を持ち出すつもりはありませんので)。
火力発電で、地下資源を掘って運んで売るだけで「ボロ儲け」する、諸外国は、資本主義的にはおかしなことはしていません。しかし、極悪な仕組みを作って国民から不当に搾取しながら「ボロ儲け」する企業と役人に関しても考慮しましょう。
加賀倉 創作