私の帰るところには

縞間かおる

第1話

きっと今頃

カレの部屋は……


流し台に積み上がったお弁当やカップ麺のガラ

洗濯機から溢れ出しているカレの服たち

ひょっとしたら白いティッシュの花も散らばっていたりするのかも……


でも

きっと

ためいきに纏わる吹き出しは

散らばってはいないよねえ


こんなにも不潔で

甲斐の無いオトコのところなんかへ

どうして戻る必要があるだろう??


でも、柄が素敵で……

色違いで買ってしまった私のマグカップは

きれいに洗って

連れて行こう


もう他には何も要らない!!

何も要らないけど……


とり残されたマグカップの片っぽは

寂しがるだろうなあ

でも二つとも連れて行ってしまったら


カレの事だから……

ビールジョッキでコーヒーを飲むなんてバカをやるかも

まかり間違ってレンジにでもかけてしまったら

事故になるかも……


本音を言えば

バルサン炊いて

“G”ごとカレを抹殺したいけど……


仕方ないから

部屋に帰ろう

“G”に出会わない様

祈りながら……




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の帰るところには 縞間かおる @kurosirokaede

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画