第12話 斧作り
ーside ジップスー
「よーっし!家を作っていくか」
『楽しみなのです〜!』
『手伝うー』
翌朝、ドライアドさんとスライムさんと一緒に家づくりを開始する。
と言っても、正直、家なんて作ったことないから最初は成功率が高そうで、手軽にできるものから始める事にする。
慣れてきたら、豪華なものを作りたいが最初は無理だもんねえ。
「クラフターの心得に書いてあるものから作ろう」
リチャードが持たせてくれたこの本には、スキルの使い方と基礎的な道具の作り方が沢山載っている。
最初はこれを見ながら基礎固めと行こう。
『サポートなら任せるのです〜』
「助かる」
心強い味方もいるし、早速始めるか。
「家にあるもので一番必要なものと言われると……とりあえず机を作ろうかな?」
『賛成なのだ〜!今まで床で料理していたけど、衛生面終わってるし、信じられないと思っていたのだ〜』
「うっ……」
ドライアドさんにチクチク突かれて狼狽える。
そーなんだよね。魔境だから仕方ないとはいえ、床で調理するのは確かにどうかと思っていた。
……と言うわけで最初は木の採集から行う事にする。
周辺の木を切りまくる。そのためには斧が必要だ。
そう思った俺は再びクラフターの心得を確認する。斧の作り方は……これだっ!
「よーっし!せっかくだし、色々クラフトスキルを試しながら作ってみるかー!」
何事も練習だ。とりあえず、使ってみなければ始まらない。
とりあえず、俺が持つ、素材強化、整地、インベントリー、素材採取、素材合成、素材分解の6つのうち、インベントリーと素材分解はしたことあるので、それ以外の素材に関するものを試す事にした。
「まずは素材採集からだなー」
そう思った俺は周辺に生えている木に向かって手をかざす。
「素材採集」
--ポンポンポン!
俺がそう唱えると、木がブロック上になって前の地面に落ちた。
「成功だな!」
ふむ。これで斧を作る素材は揃った。
「これだけでも良いけど、せっかくだし応用もやりたいね」
『応用?』
ペチペチと斧を触って確認していたスライムさんが聞いてくる。
「ああ。せっかくだし、素材強化もしてみたい」
『そんな事もできるんだー!主人、すごいねー!』
『普通はそんな便利スキルを持っていないから、主人は特別なのだ〜!』
『そーなんだー!すごいすごい〜!』
俺が特別というよりは、ドライアドさんがくれたあの花がすごいだけなんだけどね。
そのことを伝えると。
『運も実力のうちなのだ〜!』
『そーそー』
さいですか。まあそれもそうか。
続いては素材強化だ。
ちなみに、初めの時結界を強化するのに使った“強化”は、クラフターがあらかじめ持っている道具を強化するデフォルトスキルなので、素材強化とは別物だ。
俺は木のブロックに手をかざす。
「素材強化!」
--ピッカーー!
発動すると素材が光る。
光ったが、見た目はさっきと変わらない。
「成功……したのか?」
『わからないけど、多分そうなのです〜』
『わからなーい!』
うーむ。成功しているか謎だったので、念のため、クラフターの心得を確認する。
すると、素材強化は特殊なスキルなので、鑑定スキルがないと分からないと書いてあった。
「鑑定スキルか〜!夢のあるレアスキルだな〜」
鑑定スキル持ちもインベントリと同じで、有用なレアスキルとされている。
持っているだけで、国や大貴族、大商会からお声がかかると聞く。
『ない物をねだったってしょうがないのだ〜!』
「それもそうだな。今は斧を完成させるか」
気を取り直して、強化された木のブロックに手をかざす。
「素材合成!」
--ポン!
目の前には、木の斧。
うん、ちゃんと出来てる!完成だ!
「おお〜!」
『成功なのです〜!』
『すごいすごーい!』
パチパチパチパチ!と思わずみんなで拍手する。
持って、コンコンッ!と叩いてみる。
頑丈な斧を作れたみたいだ。
「ちょっと使ってみるか」
『楽しみなのだ〜』
机に必要な木だもんな。
「あれとか良さそう」
檜に似ている木を見つけたので、近づいてから、檜を一振り。
--ズッバーーーーーン!
『『「--へ?」』』
斬撃が飛び出して、周辺の木々共々倒れてしまった。
「ななな……なんだこれーー!!」
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ソロクラフター〜最強スライムさんと前世の知識を活かして追放先の荒れ放題な魔境をまったり整備しながら、商人冒険者スローライフ〜 幸運寺大大吉丸@書籍発売中 @book_hobby
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